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放課後、通学路途中にある公園で始まる遊び
何人かのクラスメイトとともに下校すると必ずそれは行われた。
「もーいいかい」
「まーだだよ」
はしゃぐ子供の声が住宅街にこだまする。
だんだん日が暮れて、いい子は帰る時間だと鐘が知らせる。
「もう帰ろ」
「先に帰ったんじゃない?」
子供の熱は冷めやすく、時に残酷だ。
模範解答のない問いは考える前に捨てられる。
時間が彼らを縛る。
最後までは誰も続けられない。
みつかりそうでみつからない遊具の中、いつもひとりだった。
「もう、いいよ」
小さくつぶやいた声は暗い空に吸い込まれる。
いつものことだと膝に力を入れて立ち上がろうと足の裏が砂を蹴った時
「みつ、けたッ」
耳によく馴染むその声は一生懸命自分を探してくれていたのか吐息交じりで震えている。
視界に映った自分と同じくらい小さな手
俺は迷わずその手を取った。
本当は知っていた。
その声が、手が震えている本当の理由
それは俺たちだけの秘密
俺は今でもその手に縋っている。
かくれんぼ
誰にも見つからずひとりきり
いや、違うか。
俺が本当に怖かったのは…
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