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「葵たちこっちきてくれるって。
ちょうど時間だしお昼にしない?って」
4ヶ月記念に貰った紫とシルバーの腕時計
中にキラリと光る小さな石が星みたいに見える
普通にセンス良くてびっくりしたやつ。
それで時間を確認すれば確かに12:40とお昼時だった
「何食べたい?」
「何でもいい」
「ふは、だと思った」
そうだなぁ、とあたりを見て良さげな店を探している
「…ゆき、あそこ。」
「ん?」
「ダメ?」
あそこ、と指をさした先にあるのは普通のファミレス。全国チェーン。
「いや?最高。」
「最高は言い過ぎ」
「真慕も見慣れた場所の方が食事も喉通るだろうしナイスチョイス」
「…そ?」
「絢から食べたいお昼教えて貰ったの初めて。嬉しい」
「バカじゃないの」
「記念日にしよう。俺だから教えてくれたの?」
なぁ、俺だから?って迫られてムカつく
当たり前じゃん
ゆきだから言った。少し考えたらわかる事を一々聞いてくるのムカつく
「煩いもう何でもいい」
俯けば「絢」と名前を呼ばれ、それが真慕の声だとわかって顔を上げる
「具合悪い?」
「あ、いや…大丈夫」
だいぶ真慕達の後ろを歩いていたし、ゆきがさっき休憩したい、なんて言い方で電話をしたから真慕は眉を下げて心配そうだ
車の中でも寝てばかりだったしな。
「…さっき葵と話した。お昼食べたら、1回旅館戻って、夜また出かけないかって
少しそれまで、休もう?」
「いや俺は別に大丈夫。
せっかく来たのに変に気使わせてごめん」
「ううん、使ってない。だから、ね?」
真慕の声は小さいけど、傍で一生懸命そう言って、ね?と催促してくる
「ん、分かった。ごめんね」
「いいの。」
そう言い残すと、今度は葵のところに移動して何かを伝えている
なんせ声が小さい真慕は少し離れられるだけでもう何も聞こえなくなる
何なら、ガヤガヤしてるだけでも聞き取れないくらい。
「絢ちゃん食欲はある?」
「ほんとに体調は大丈夫です」
「じゃあ先輩にいじめられた?」
葵は可笑しそうに言うけど俺はギクリと顔を引き攣らせた
「もしかして当たり?」
いつもと変わらない様子で葵はくす、と笑った
それから「取り敢えず休もうか」なんて気にした様子もなく言って、真慕の元へ戻った
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