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道案内も兼ねて前を歩く2人の後ろにつく
体調が万全でも基本的には歩くのが遅い絢。直ぐに少しの間があいた
「…ゆき」
小さな声で名前を呼ばれる
覚えられるようにと付けてくれた『ゆき』というあだ名も もう随分と聞き馴染みのある響きになった
「ん?」
細い夜道。
観光地といえど1本ずれれば随分と暗い道だ
絢の顔は見えなかった
だからこそ、こんなことを言ったのかもしれないけど。
「……す、すこし…手…繋ぎたい…」
落とされた言葉を頭が理解するより先に鼓動が早くなった
「なに、抱いて欲しいって?」
「っ、そんなの言ってない…手、って言っただけ」
「手だけでいいの?」
「逆にそれ以上は嫌」
照れたように顔を逸らす絢に俺の方が、手に触れることさえも難しく思えるほど緊張してくる
でもそんなのはカッコつかないので、あえて強引に小さな手を包み込んだ
可愛い絢を噛み締めたいところだけど、あまりじんわりと浸っていたら「やっぱりいい」なんて直ぐに言いそうだったから。
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