アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
Prologue
-
嘉山照(かやまてる)は、太陽のような男だった。
クラスの中心で光り輝き、周りをも照らす、太陽。
嫉妬を抱かせる余裕も与えないほどに、明るく、力強い存在。誰もがその光と熱にあてられて、アイツの周りだけはどんなことがあってもそのぬくもりを失わない。
光のある所には必ず影があるというが、俺はアイツと出会って、圧倒的なほどの光は、影すらも呑み込んでしまうのだと知った。
……いや、信じていたという方が、正しいだろうか。
あの頃の俺は、物語の主人公のようなアイツの光を、疑いもしなかった。
想像もしなかったんだ。
嘉山照という男が、その光の代償を、おのれの小さな一つの体の中に、すべて押し込んでいた、なんて。
ずっと、周りを照らすばかりで、自分を照らしてやることをすっかり忘れていたらしい、なんて。
これから始まるのは、そんな永遠なる太陽の超新星爆発を、本当に間の悪いことに目撃してしまった俺、湊基樹(みなともとき)の、愛と決意の物語だ。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
1 / 2