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200 after story 86
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焼け付くような喉の痛みに目を覚ましたのは、夕陽が射し込む時間だった。
「・・・ゲホッ!」
水を飲みに起き上がろうとして、驚いた。
まるでベッドに縛り付けられているかのように、動けなかったからだ。
!!!
全身に走る痛みは、筋肉痛で。
そういえば、前もこんな感じになったことを思い出した。
「あ、起きた?スポドリ買ってきたよ。」
呑気な歩さんの声に、ちょっとだけイラッときた。
「・・・飲む。」
顔を声の方向に向けると、ペタペタと冷蔵庫まで歩いていく姿に、感謝の気持ちより先にイラッイラッと募っていく。
「えっと、ストローストロー。」
ダメだ、これ、血糖値が低いんだ。
お腹空きすぎなのと疲れでイライラしちゃってる。
・・・何となく、幻想を抱いてた自分になんだか苦笑してしまう。
はじめてのセックスの後なのだ、こう、裸で抱きしめてくれている腕の中で目が覚めたりだとか、甘いキスで起こしてくれるとか、少女マンガ的発想をしてしまっていた。
チラリと時計を見ると、午後も遅い時間だ。
セックスをしたのが午前中だったのだから、そりゃ歩さんだってずっと寝ているわけにはいかないだろう。と、分かっている。
分かってはいるけれど、未だにゴソゴソとストローを探している後ろ姿は、忍を苛立たせた。
・・・まだなの?喉、めちゃくちゃ痛いんですけど。
あれだけ喘いだのだ。
しかも長風呂で水分なくなってるのに、そのままベッドで喘ぎまくってからの長時間睡眠。
心なしか、熱もある気がしてならない。
しかも、歩さんと繋がった箇所は、未だに何か挟まっている感じがするし、なんとなくお腹の奥が痛い。
お尻に何かが伝って気持ち悪い。
「お待たせ、起きれる?」
「ゲホッ!・・・起きれない。」
「だよね、多分動かさない方が良いと思うから、寝たまま飲もうか。」
差し出されたストローの先を咥えて吸い込むと、冷たく冷えたドリンクが焼けた喉に染み渡っていく。一気に半分以上を飲んで、ふぅっと息を吐いた。
「ありがと・・・(イライラも含めて)落ち着いた。」
「良かった。何か食べれそう?」
額から後頭部へと頭を撫でられて、思わずその手に擦り寄った。
「・・・うん、お腹空いたかも。」
「だよな。食べやすそうなもの買ってきたから、食べよっか。」
ほんの少しだけど、求めていた甘い雰囲気に忍の満足レベルが上がった。
「ありがと、嬉しい。」
あーんとか、してくれるのかな。
狭いキッチンに消えた歩さんがゴソゴソしている気配を感じながら、妄想が膨らんでいく。
「お待たせ。」
そうして戻ってきた歩の手にあるものを見て、忍は目が飛び出るかと思った。
・・・まさかの。
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