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小さな頃は投薬だけで安定していたが、食事や睡眠と同じ生理的な欲求は、成長するにつれて薬だけでは代替出来ず、父親の伝手で紹介されたDomを頼っている。
お金で雇われているDom達は皆、汐より年上の男だった。
提供されるプレイに性行為は伴わないが、間違いがあってはいけないからと、汐にあてがわれたのは男性のみ。
そもそもこういうサービス業で働いているDomの女性は、見つけるのが困難なほど希少だ。
創一は毎日汐の体調を気遣ってくれる。
紗那も創一もNormalで、第二性の事情など未知であるのに、Subの汐のことを理解しようとしてくれていた。
創一を玄関まで見送った後、汐も数十分かけてのんびり支度をしたら家を出る。
今日も今朝から家族関係は良好。
マンションのエレベーターで一人きりになると、ようやく詰めた息を吐き出した。
──このままどこか逃げ出せればいいのに。
いつもそう考えるけれど、小心者の自分は実行に移せない。
せいぜい友達の家へ一晩泊めてもらうくらいの反抗しか出来ない。
それにもいろいろと手順がいる。友達の名前や連絡先をいちいち親に伝えなければいけないし。
キッチンでのやり取りを思い出し、汐はまた溜め息をつく。
後から家族の輪にずかずかと入り込んできた創一を恨んでいたが、異分子なのはもしかしたら自分のほうなのかもしれない。
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