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「……いや。悪いけれど、そういう関係にはなれない」
思い描いていた展開と、真逆の返答がきて汐は数秒の間、理解出来なかった。
汐の手から、深見の手がするりと抜けていく。
──え、え……!? 嘘でしょ!? この流れで振られるの!?
「ま、待って! な……何で!? 僕のプレイが下手だったから? あっ、芸能人っていうの、気にしてる? それならもうとっくの昔にやめてるから! 今は全然、有名人でも何でもないし……」
いそいそと帰り支度を始める深見に、汐は意地でも縋りつく。
汐の言葉を遮るように、深見は短く告げた。
「さっきだって! ご褒美くれるって言ったじゃん! 誠吾さんだって、僕のこと知りたいって……」
「頼むから、忘れてくれ」
明らかに汐を拒絶している。
冷たい言葉に、汐はそれ以上何も言えなかった。
ばたん、とドアが閉じて、深見の姿は完全に見えなくなった。
何がいけなかったんだろう……記憶を巡らすも、理由は分からなかった。
あまりにも早い失恋に、汐はしばらくの間、ベッドの上でぽつんと佇んでいた。
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