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島長もたまに遅刻をしては、汐のノートやプリントを借りてコピーしている。
一番長い友達だし、こういうときは持ちつ持たれつだ。
「というか、付き合ってるとか本気で思われてんのかなぁ。瑞希みたいな遊び人、全っ然タイプじゃないんだけど。抱かれるのもやだ」
「あ、汐の中で俺ってタチなんだ?」
貶したつもりが、逆に足を引っ掛けられた気分だ。
汐は真っ赤になりながら、肩に拳を食らわせた。
──…………。
以前から言ってみた行ってみたかった新しいカフェに入り、汐はもらったばかりのプリントを確認する。
島長は隣でスマートフォンの画面に没頭していたが、話しかけられても無視するうちに、仕方なく勉強会に加わった。
コーヒーと甘いものを頼んで作業する人が、多数派だ。いい穴場を見つけたかもしれない。
日が傾き始めると、客の数も減っていった。
汐達も帰る前にパスタを注文し、夕食をとった。
駅で島長と別れた後、本屋で少しぶらついてから帰ることにした。
すぐ出たところのロータリー付近を歩いていると、声がかかる。
「汐くん……汐くんだよね?」
窺うように名前を呼ばれ、つい立ち止まってしまった。
それで汐だと確信した男は、進路を塞ぐように前方へとまわった。
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