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相手も芸能人だろうか。
「何かごめん。……追いかけなくていいの?」
「や、別にいい」
顔を向けることもしない。
さっきのパートナーよりも、本庄は十数年ぶりに再会した汐に、興味を持っている。
「すっごいなあ! こんなところで会えるなんて偶然。引退って本当か? もう役者やってないのか」
「まあ……才能ないな、って思ってたし」
「そんなことないだろ。いっつも俺より選ばれてて、俺より仕事もらってたし。今からでも天使 汐の名前使ったらすぐ拾ってくれるんじゃねぇの」
──なんだ、こいつ。自慢でもしたいのか?
どこへ使われてもぱっとしない子役が、売れっ子俳優へと成長したシンデレラストーリーに、汐はわずかな拍手を送った。
「ていうか、有名人がこんなところに来ていいの? もっとシークレットなサロンがあったんじゃない?」
「あー……それなんだけど、内緒にしておいてくれる? マネージャーにも言ってないし。俺も天使 汐のことは内緒にしとくから」
もう十五年前だし、素性が知れたところでネタにもされないだろう。
自虐的にそう思ったが、汐は「分かった」と了承する。
──Glare漏れてるんだけど。
なるほどDomか、と汐は納得し、足早に去ろうとした。
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