アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
②
-
「サラッとこっ恥ずかしい台詞吐いてまうとこが流石やね」
「流石てなんや」
「それ、リラックマ。サスケてほんま似てるわ。癒し系?」
「系?聞かれてもな。そんなん知らん」
手で思わずもみもみしてまった。
やわこい。
ふにゃってゆうた意味がなんとなく分かった。
離れ過ぎた目とか。
クソかわえぇ。
「ぶっ」
「ぶ?」
「小さい子やん。ぬいぐるみ抱き締めてほほ笑むとか」
「べっ、別にほほ笑んでないし!!あほか!」
「わかったからすぐ牙むくな。悩みとかさ、あったら言えよ?」
思いもよらん言葉に更にクマを抱き締める。
千里の目は優しくて、真剣で、真っ直ぐやった。
でもそれは俺とは全く異質のもので。
仲間を心配するダチの目、そのものやった。
俺は、俺のんは…。
「サスケ?」
悩みならある。
けど言えん。
ゆうたら、壊れてまうから。
こうやって二人でおる時間も、今までの時間も。
全部嘘になってまうから。
「やっぱたこ焼き食う」
ゆうたら千里はほんま優しい顔で笑った。
でっかい手で俺の鼻をきゅっと掴んで、ほんで、おごったるわって歩いてく。
その向けられた背中を見て少しだけ泣いた。
涙は流さんように、少しだけ胸ん中で泣いた。
そこをリラックマで隠しながら、俺は笑顔で戻って来る千里をじっと待った。
(2)おわり
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
4 / 43