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好きやって、言いたい
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あんなガラ悪そうな兄ちゃんらと知り合いやった千里。
しかもなんや千里のが強そうやった。
お前は一体何してんの?
どんなんと繋がりがあるん。
いわゆる暴走族とかチーマーとかそんなんなん?
ギャングゆうんもあったよな。
そんなんとホンマに関わり持ってん?
まさかヤクザとかまで繋がってへんよな?
コンビニから家に帰って来てからずっとこんなんばっか考えよる。
答えなんかもらえんのに、疑問だけ生んだかて余計もやもやするだけなんに。
テツとケイにも全部話した。
やっぱり千里は千里やったゆうて、二人の前で俺はまた泣きじゃくって。
布団に挟まれたリラックマを引っ張りだし、力一杯抱き締めた。
諦めん。
今日しっかりと確定された事。
絶対諦めん。
絶対またここへ戻って来さす。
絶対絶対絶対。
俺は千里を待ち続ける。
そう決めた。
コンビニの夜から一週間。
また酒盛りの週末。
それまで学校で千里を見掛ける事は一回もなかった。
あの夜から、また千里は姿消したみたいにどこにもおらんくて。
探したわけやないけど、意味なくうろつきまくった校内で会う事はなかった。
って、これ探してるゆうねんな。
だってな、じっとしとれんねんも。
何でかエロビ観賞となってもうてる深夜。
全く興味ない俺はリラックマを手で揉みながら寝転んでた。
テツがトイレへ駆け込むのをあほやんなとか思てたら、ケイがビデオを巻き戻しながらなんや言い始める。
「サスケ」
「んー」
「俺の中学ん時のつれにマサルゆうヤツおんねんやんか」
「うん」
「そいつな、千里の事知ってるゆうねん」
「知ってるって、何で?ガッコちゃうやん」
思わずリラックマの首を絞め上げた。
ごめん。
俺とテツは同中、けどケイと千里とは別で、二人も違う出身校のはずやった。
「呼ぶ?」
「誰」
「マサやん」
「マサやん…」
「やでマサルやゆうとろうが」
「呼ぶて、今?」
「聞きたいないん?昔の千里」
「聞きたい」
即答したらケイはちょっと笑って携帯を手に持った。
その間にテツも戻って来て、誰に電話しとんって顔で俺を見た。
「マサやん?誰やねん」
「ケイのつれやって。千里の事知ってるらしいん」
「やでなんじゃ」
「昔の事知りたいやん。呼んでくれるゆうから」
「くだらん」
「なっ…、くだらんてなんやねん!気に入らんのやったら帰ってまえあほっ!」
「ご、ごめんて、嘘やん…」
牙剥いて噛み付く俺にびっくりしながらもテツが煙草を咥える。
まだ睨む俺にわかったからと首を縦に振りながら苦笑した。
くだらんてなんや。
俺は必死やゆうねん。
過去が分かったら今の千里もちょっとは分かるかも知れんやろ。
どんなんとつるんで、どんなヤツやったんか。
親がおらんゆうんも、何でか分かるかもしれん。
知ったところで別にどうとかないけど。
でも知りたいん。
あかんか?
「バイク飛ばして来るゆうねんけど、多分かなりうっさいで」
「なんや暴ヤンか」
「まぁそんなん」
「うざかいアホやったらしばく」
「あー大丈夫。そんなヤツちゃうから」
テツって油みたいなとこあるからな。
他の液体を弾いてまうっちゅうか。
溶け込むには結構時間かかるヤツやった。
相手が自分と同じ臭いしようもんならまずガンつけや。
ケイや俺みたいにまた違う人種やとすぐ仲ようなるんに。
マサルって子はどうやろ。
暴れ出したら火ぃつけたんねん。
嘘やけど。
スッキリしたらしいテツが、持って来た違うエロビをまた見ようとごそごそし始めた時。
ケイがそこのコンビニまで迎え行ってくるゆうて部屋を出てった。
テツはスタンバってリモコン片手にテレビの画面を凝視。
なんや無修正ゆうやつを後輩から借りて来たらしい。
正直、テツの交遊関係もガラ悪そうなんが多かった。
前の兄ちゃんらみたいなタチ悪いヤツらではないから、まだそんな気にはならんけど。
聞こえ始めた気持ち悪い声と同時に、ケイがマサやんゆうヤツ連れて部屋へ入って来た。
「爆音せんかったな」
「エンジン切って引いて来たから。サスケの近所に迷惑かけたらあかんやろ」
「あんがと」
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