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臨時会議 3
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俺は花見さんに目を合わせて微笑んだ。うんうんと頷いてやると、彼女も一度頷いた。
「わかりました。幸月君も担当させて頂きます」
「ありがとう。そうしたら、花見の担当が二人になるから、冴島は花見のサポートとつばめ棟のサポートに回るように。今日明日中に引き継ぎを済ませておいてくれ」
「はい」
「他、なにか報告、意見のある者はいるか?」
誰も反応しないのを見て、施設長が立ち上がる。「解散」という声掛けで、ざわざわと職員が動き出した。資料をまとめて部屋を出ようとした俺に後ろから声をかけたのは花見さんだった。彼女は先ほどの「やる」というしっかりした言葉から一転、どこか歯切れ悪そうに、俺を見たり俯いたりしながら言った。
「幸月君のことですが、その、な、なにかこの資料以外に注意点などあれば……」
「あぁ、ほとんどこの資料に書いたから、資料にある通り気を付けてもらえれば大丈夫だよ。クマのタオルケットとテディベアが近くにあると、最近は落ち着いてる気がする。それくらいかな」
「ありがとうございます……」
花見さんは何度も頭を下げて、足早に部屋を出て行った。特別話すこともなかったのにわざわざ話しかけてくるなんて、彼女らしい。
ふと周りを見ると、部屋には俺しかいなかった。他の職員は全員宿直室に戻ったのだろう。誰もいなくなった部屋で、俺はそこに満ちた静寂に身を委ねながら、一つの終わりを感じていた。
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