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「月曜日だっていうのに出雲さんも元気だよな」
そう呟くのは見習いというかお世話係と言うか曖昧な立ち位置にいる桜庭紬(さくらば つむぎ)だ。細身だけどしっかりとした体型の彼は絶対店に出たら売れるだろうに頑にそれを拒んでいた。
あの人がそれを許すわけはないと思っていたけれどなんだかんだで許されているらしい。世話係がまともに務まるのが紬しかいないって言うのが一番の理由だろうけど。
「ほんとうにね、なんでこうも頻繁に来るかな」
出雲さんていうのはこの幻月楼に通い詰めているお客様だ。具体的に何の仕事をしているのかは聞いた事がなかったけれど、こうも頻繁に来れると言う事は相当裕福な方なんだろう。
なんだって幻月楼はここらにある遊郭もどきの中でも一番と言っていいほど格式高い店だから。
「今日は朝までコースだから頑張れよ。どうせあの人の事だから休憩時間なんてないだろ」
「...そうだね。長い夜になりそう」
今まで行われて来た数々の行為に記憶を巡らせながら今日は何をしてくるのか想像もつかなかった。
長い廊下を進み、豪華な作りの襖の前までたどり着く。
「それじゃ俺はここまでだ。なんかあったらちゃんと呼べよ」
紬の言葉に対し小さく頷くと彼は来た道を戻っていった。
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