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クッキー
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鳥の鳴き声で目覚めると天使の顔をじっと眺める。
「すぴーすぴー」
つんつん
つんつんつんつん
可愛い頬を指先でつつく。ぷにぷにでプルルンで食べてしまいたい。
ふにゅ…
モチモチな頬に軽いキスを落とすと、ノアに起きるよう声をかける。
「うぅ…」
ノアはまだ眠いのか、梅干しを食べたような顔になっている。
はぁ…かわいい。
「起きろ」
ノアの体を揺らすと、長い睫毛が揺れた。そして、俺の顔を見ると顔がこわばる。
そうですよねー、そりゃ、この顔だし…
朝から殺人者みたいな顔とおはようございますなんてしたくないよね…(涙)
「おはよう」
「おはよう ごじゃいましゅ」
ノアのオムツを替えるのが俺のルーティン。毎朝、ノアの小指さんとこんにちはするのが好きである。小さくて可愛い小指はプラプラと無防備である。
そんな変態に気づかないノアはされるがままである。
───────…
昼頃となりノアと厨房に立つと、小麦粉やバターなどを用意しクッキーを作り始める。
クッキーを作ると伝えた時のノアの表情はとても可愛ゆかった…。
食いしん坊ノアたんは大きな城を作ると言って、巨大クッキーに挑戦中である。
俺はというと、ノアの隣で生地をハート型にくり抜き中…
料理長にクッキーを焼くよう伝え、ノアと紅茶を飲みながら休憩タイムである。
休憩をしつつ、屋敷でのメイドの様子を見る。
『あれが、平民の子供ですって…やだ、、、貧乏が移るわ』
メイドよ陰口が聞こえるぞ。というか貧乏は移らん。
屋敷の大半が貴族のため、無駄に人を見下したり鼻が高かったりする。
まぁ、ノアの方が身分は上だがな。
ノアは何を言っているのか分からないようだが、メイドの表情で自分が嫌われていることを何となくだが分かっていそう。
「そろそろクッキーが焼けそうだ」
「あい」
気分を入れ替えて、甘い香りがする所へと向かう。出来上がったノアのクッキーは…うん、個性的だが、よくできていると思う。
熱々のクッキーを一口。
甘くてまだサクサクしていないがとても美味しい。
「あちゅ…おいちっ」
「クッキーは逃げないぞ。ゆっくり食べろ。」
「あい」
柄にもないハートのクッキーをノアの皿に置くと、ノアはキラキラした顔をして城の頂点を割った。
「どうじょ」
「あぁ」
なっなんてことだ…
天使は大事な城の1番上を俺にくれたのだ。
今の天使の写真が欲しい!
なんでこの世界にカメラが無いんだ!
というか俺は天使にありがとうも言えないのか!!
「ん"ぅん"!、、、もっと食え」
ありがとうが言えない代わりに、ハートのクッキーをすべてノアの皿にのせる。
戸惑いながらも美味しそうに食べるノアを見て癒されるのであった。
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