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海10
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***
長かった休暇も最終日を迎えた。
ノアとの距離も近づき、顔を見ても恐れられなくなった。たぶん…
「にたん!」
のんびり散歩をしながらお土産を買う。ノアは貝殻のアクセサリー店の所で足が止まった。
じー
視線を追うと綺麗な青い貝殻のネックレスがある。欲しければ欲しいと言えばいい。だが、ノアは遠慮をして、くるりと背を向けた。
「買わないのか?」
「あい!」
もちもちな手をにぎにぎしながら、ネックレスを店員に渡す。
「おじさん、この青い貝殻のネックレスを一つ」
「はいよ!まいどあり!」
ネックレスを受け取るとノアの首にかける。綺麗な青がクリーム色と似合う。
「あいがとうごじゃいましゅ!にたんのいろ!」
ぐっ…カウンターからの攻撃に鼻を押さえた。まさか、ノアが俺の瞳の色を気に入っていたとは…
「これも買っておくか…」
ちゃっかりノアの瞳と同じ色のネックレスを購入する。ネックレスをかけると、ノアが嬉しそうに「おしょろいでしゅ!」と言う。
はぁはぁ、、かわゆい、、、
脳内はかわゆいノアで埋められつつある。
「あらあら、2人とも可愛いのを買ったわね!」
「2人ともそれだけでいいのか?」
「あい!」
ノアを抱っこすると、馬車まで歩く。ノアの手が首にまわり、頬がピタリとくっつけられた。やばい…鼻血出そう…
自分から頬をくっつけることはあるが、ノアからは初めてのことである。
「にたん、たのちかったね」
「そうだな」
ふにゅふにゅな体を抱きしめながら、ノアの話に耳を傾ける。ノアにとって最高な思い出となれば頑張った甲斐があった。
───────…
「すぴーすぴー」
帰りの馬車は旅の疲れで、全員が爆睡である。ノアの背中を撫でながら外の景色を眺めた。
屋敷から海まで鉄道を開業させたい…それか転移魔法をつくるか…
そうすれば、海の幸が毎日食べれる。
「に……たん……むにゃ…」
天使の夢には俺が登場しているらしい。真ん丸なおでこにキスをすると、頬と頬をくっつけた。
「……ちゅき……に……たん」
「俺も好きだ」
頭を撫でると、幸せそうに頬に擦り寄る。
寝ている時は思っていることが言えるが、いざノアを前にすると口が開かない。
この殺人鬼みたいな顔、顔で恐れられるため唯一表現できるのが言葉である。その言葉すら上手く話せない。
最近は、少しマシなったが…
1ヶ月後、悪役令嬢との茶会がある。それまでに、コミュニケーション能力を付けたいが…
無理そうだったら裏で動こう。
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