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お披露目3
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* * *
ノアのお披露目パーティーが開かれると、母親は男性達に囲まれた。母親が浮気をしているという嘘の噂によって、"じゃあ俺も浮気相手に"などと虫が寄っているのだろう。
斜め後ろから刺さる父親の鋭い視線に、俺は苦笑いをした。
ノアはというと、俺の隣をキープしながらスイーツを堪能している。ノアの両親を暗殺したであろう人物(元親戚)は数メートル先でノアを見ている。
「夫人、今日も花のようにお美しい。」
「あら、ありがとう。」
「セリーヌ様、私とテラスで───」
痺れを切らした父親が母親の隣へと立つ。母親を下の名前で呼び、さらにテラスなどと夜の誘いをしたのだ。嫉妬で狂ったような顔の父親は、今にも人を殺しそう。
「リーヌ、ジュード達が待っている」
「そうね。それでは私は失礼します。」
「……はい」
最近、父親の逃げ口が俺になっているのだが…両親がこちらにくると、父親はむすっとした顔で母親の腰に手を回した。
うん、牽制してます。セリーヌは俺のだぞアピールが凄い。
数人の貴族達は父親と母親の関係に気づいたようだ。
「父上、母上の頬っぺにチュウしてください」
子供らしい言葉で伝えると、父親の顔がピキっと固まる。ありゃ、恥ずかしいのかキャパオーバーな父親に、母親がクスッと笑って父親の頬にキスをした。軽く唇が触れる音が響くと、周囲は桃色の悲鳴をあげた。
よし、いいぞ!いい感じだ!!
ここで、新機能搭載カメラの登場だ!
負の感情、悪意を認識し、追尾する。使用人達が裏で動き始める。
今回は噂の出処の確認だけで、残すはノアの親戚問題だ。
「これはこれは、お熱いことで。ノアは良い子にしていますかね。」
現れたのはノアの父親の弟であるカルア・ルイード男爵だ。男爵のまるでうちの子発言に俺の眉間のシワが増える。
縁切れたんだからな。縁があるみたいな馴れ馴れしい言い方に母親が訂正を入れる。
「あら、知らなかったんですか?ノアちゃんはとても良い子なのに…」
女優スイッチが入った母親はハンカチで涙を拭う。傍から見ればカルア・ルイードが母を虐めているように見える。
「そんなっ…私は血が繋がったあの子が心配で…」
「私(とアルベール)がノアちゃんと血が繋がっていないからってそんなこと言うのですか?酷いですっ」
父親とノアは血が繋がっているが、母親は繋がっていない。ノアは浮気相手の子供のように聞こえる。母親はわざと言っているのだが。
「もし、そうだとしたら。ノアを私達に返してくれませんか?」
直球ー!ストレートできましたよ!
男爵はノアを家に戻して何をするつもりなんだ。
「……少し考えさせていただきます」
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