アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
親戚6
-
───────…
ノアの部屋で絵本を読んでいると、使用人が天井から顔を出した。
「ジュード…ジュード様の読み通りでございます。数メートル先、敵が接近しております。」
母上の前では良い人なのだろう。俺の前ではどうか分からないが。
ノアには奥の寝室にいてもらおう。
「俺が相手をする。ノアを頼んだ」
「かしこまりました。
ノア様、少しの間ローザと遊びましょう」
ノアはローザの後ろについていく。ピタッと止まると後ろを振り向いた。
「にた…だいじょぶ?」
「あぁ…」
ノアの瞳には不安が見える。
心配してくれる天使…ぐっ…可愛い。
ドアを叩く音が部屋に響いた。セバスチャンがドアを開けると、敵が現れる。
「ジュード君、少しいいかい?」
ニコリと仮面のついた顔で笑う表情、隙を見せない姿に、昔の自分と戦っているようだ。
ジェフリー・ガルシアは向かいのソファーに座ると、カップに口をつける。
「ヒューゴが暴走しないように着いてきたんだが、やっぱり従姉のセリーヌが心配でね…
セリーヌはね、君を産んでからずっと泣いていたんだよ。後悔していたのだろう。
今は幸せなのかもしれない。だが…また同じことが起こるかもしれない。セリーヌはアイツと離れるべきなんだ。
それで、ジュード君にお願いがあるんだ。
セリーヌの為に協力してくれないか?」
やはり俺に協力を仰いできたか。
見た感じは親戚を思う良い人だが、言っていることは滅茶苦茶だ。
セリーヌの為に協力?違う、自分の為に協力して欲しいのだ。
それに俺は自分の幸せしか考えていないのでな。無論断る。
「お断りします。私は自分さえ幸せならそれでいいので。親が離婚すると面倒なので嫌です。」
「きっ君は母親が不幸になってもいいと思っているのかい?」
「数ヶ月前まで1人でした。誰も私を気にしなかった。空気のように扱っていたのに、どうして気にかけなければならないのです?
私は自分の幸せだけを考え、その邪魔をするなら排除するだけです。」
俺自慢の殺人的な顔を向ければジェフリー・ガルシアは部屋から出ていった。
これで、俺の所にヤツは来ないだろう。
☆☆☆
表紙を新しくしました!全体が見れるイラストを下の関連イラストに載せたのでチラッとでも見てくれると嬉しいです!(作者より)
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
72 / 151