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逢瀬9
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高橋は青年の口に突っこんでいたバイブを抜き取り、頬を濡らしている涙を優しく拭ってやった。
「ちょっと、キツい罰を与えすぎてしまったか。苦しかっただろ?」
眉根を寄せて話しかけつつ、背中に隠した催淫剤入りのチューブを指先に押し出し、中身をたっぷりと出した。これを塗ったくるタイミングを見極めるべく、青年に慈愛の眼差しを注ぎ込む。
「お願いですから、変なものを使わないでください……」
困惑に顔を歪ませる青年に向かって、高橋は瞳を細めながらほほ笑みかけ、優しい顔を作り込んだ。ふたたび薬を使うなというお願いをしてきた彼に寄り添い、耳元で囁くように話しかける。
「それ以外のことならなんだってすると言ったが、初心な君ができる行為は、一体どんなことだというんだろうね?」
卑猥な高橋の問いかけに、青年はカッと頬を染めて、口先で何かを呟く。そんな愛らしい様子を見つめる高橋の眼差しが、すぐさま下卑たものへと変化した。
「はるくん、俺になにをしてくれるのかな?」
「それは……、石川さんのを口でしたり」
「それだけ?」
縛りつけている赤い縄と同じ色をしている青年の顔を見下してから、触れるだけのキスをしてやった。
「んぅっ」
優しい物言いの後になされたキスに感じて、躰の緊張を解いたところを見計らい、手荒に青年の秘部へとそれを塗ったくった。
「ひいぃっ! ぃやだっ」
青年が躰をのけ反って抵抗すると、運よく中指がするっと挿入された。
「んうっ、あぁっ!」
踵でベッドを蹴り上げて、自ら高橋の指を抜き去ったが、何かに耐えるように躰を震わせて目を見開き、荒い呼吸を何度も繰り返す。高橋はそんな姿を嘲笑いながら、手に残っているローションをティッシュで拭いとった。
「どうしたんだい、はるくん。つらそうに見えるけど?」
「くうっ……」
「自分から、俺の指を挿れちゃったもんね。今頃君の中は俺のを欲しがって、大変なことになってるだろ?」
「んなもん……いらな、いっ」
高橋自身にローションがつかないように、しっかりゴムを着けてから、背中を丸めてうずくまっている青年を無理やり仰向けにした。
「はるくんに選ばせてあげるよ。さっき口に咥えたものと俺のモノ、どっちを挿れてほしいかな?」
「いっ、そんなのどっちも嫌だっ!」
「嫌だと言っておきながら、何もしていないはるくんのモノは、こんなに大きくなって、ビクビクしているのにね。イキたくて堪らないだろ?」
青年に話しかけながら片足を持ち上げ、ローションを塗った秘部へと指を滑り込ませた。
「ううっ、ふぅっ……」
中を弄る高橋の指の動きに合わせるように、大きく育った青年の下半身から、卑猥な雫が滴り落ちてきた。
「すごいね。いつもより熱くて、ずっとヒクついてる。俺のが欲しくて堪らないって、君の躰が言ってるよ」
高橋の問いかけに、青年は唇を噛みしめながら必死になって首を横に振った。
「いつもはイくのを我慢させてしまっているが、今日は特別にそれをしないでいてあげる。媚薬の効果で、はるくんが何度イくのか楽しみだな」
流暢に喋りつつ、青年の中を責める指の本数を増やしてみた。時折両足をジタバタさせながら躰を硬直させるたびに、高橋の指を締め上げる中の様子で、すぐさま挿れたくなる。
(もう少し感じさせてからだ。焦らしに焦らしてからのほうが、この後より楽しめるだろう)
「ぉ、お願いします、もう止めてください」
「感じさせてあげてるのに、止めてくださいなんて、おかしな話じゃないか。ここをこうしたら、堪らなくなるだろ」
高橋の長い指が青年の感じる部分に目がけて、ぐりっと擦りあげた。
「ああぁっ!」
ビクンと跳ねる裸体と青年の口の端から滴るヨダレを見下ろしながら、自身の先端を後孔の入口にあてがう。
「はるくんの躰が待ち望んでいたモノを、今から挿入してあげるね」
言い終わらないうちに、強引に中へと割り挿れてやった。
「やぁ、あぁあっ!」
高橋のモノが挿入される途中で、張り詰めて大きくなっていた青年のモノが、勢いよく白濁を撒き散らした。久しぶりの行為のせいなのか、はたまた催淫剤のお蔭なのか、いつもより量が多い。
赤い紐で縛られた青年の裸体を照らすように、自ら淫靡に汚れていく姿を目の当たりにして、高橋の興奮はどんどん高まっていった。
「トコロテンなんて初めてじゃないか。はるくん、すごく可愛いよ」
「あっ、ぅあぁ……」
「脈打つたびに俺のを締めあげて、奥に導こうとしてる。まだ感じ足りないってことなのかな?」
トロけそうなくらいに熱くて居心地の良い青年の中の気持ちよさで、高橋のモノはさらに質量を増して大きくなった。
「も、イヤだっ……。うっ」
「嫌じゃないだろう、ほらほら」
ぐちゅぐちゅという卑猥な音を青年に聞かせるために、両膝を持ち上げて派手に動かした。
「あぁあっ、はっ……ぅあっ、石川さ、も、やめっ!」
「やめろと言ってるのに、自ら腰を打ちつけていることに気がついていないのか? 我慢できなくなっているんだろう?」
高橋の動きに反するような動きに見せかけた青年の腰の動きを指摘した途端に、ベッドに横たわっている顔が見る間に赤く染まった。
「ち、違ぅ、これ、は――」
「はるくんが感じているのは、分かっているつもりだ。いいんだよ、もっと自分で動いてみてごらん」
それまで動かしていた腰の動きを、小刻みな感じにした。それだけじゃなく、青年を焦らすようにゆっくりと動かしてみる。
「はあっ、あっ、んっ」
頬を紅潮させたまま、ぎゅっと両目を閉じて何かに耐える青年の乳首に舌を這わせた瞬間、高橋のモノをこれでもかと締め上げた。
そんな反応にニヤけながら視線を下腹部に移すと、それが目に留まる。イったばかりで時間が経っていないのに、動かすたびに高橋の腹に大きく育った青年のモノが当たった。
「なぁはるくん、この縄を解いてほしい?」
「は、はぃ。解いてほしいです」
青年が歯を食いしばるたびに縄が肌に食い込み、それなりにいい姿を高橋は堪能したが、面白いことを思いついたので提案してみる。
「だったらはるくんが動いて、俺をイかせることが条件だ。どうする?」
「…………」
「君が好きなだけ動いてくれたら、きっとはやくイくと思うよ。俺のモノが張り詰めてる感じが、中から伝わってるでしょ?」
「――そうですね」
顔を横に背けて、嫌という感情を露にしながら告げる青年に、高橋は下卑た微笑みを頬に浮かべたまま、じっと見下ろした。
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