アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
馬鹿にされてる感…By月希
-
「全く気づかなかったの?!」
「……気づかなかった」
「始まったのは小6の時からだし、そんとき月希選抜で忙しかったし……無理ないか、月希だし」
「どういう意味だこら」
「シンプルに馬鹿、無頓智、天然、アホ」
「は?!俺馬鹿じゃねぇし!」
「中間テストの点数言ってみ?」
「………13、6、デス」
「2教科?w」
「5教科だよ!バカ!」
「あ、ちょ、し!」
「え?」
少し遠くからイキリ達の声が聞こえた。相変わらずバカでかい声でうるさいし同じ1年ならさっさと来て準備手伝えし!!!泰陽の事よくも…
あいつらの所へ殴り込みに行こうとすると、後ろから八重原に腕を引っ張られ止められる。
「っ、何すんだよ」
「月希ちゃんが泰陽に嫌われてる理由がわかった気がする」
「は?!」
「俺泰陽とも喋る方で思ったんだけど、月希ちゃん泰陽に脊髄で生きてるみたいって思われてるっしょ?w」
「せき、ずい……?」
「要するに馬鹿www」
「言うと思った!!俺そんな馬鹿じゃないしー!」
「よくゆーよwww」
真剣な話をしてたって言うのに八重原俺のことバカにしかしない!話になんない!
ふと校舎側を見ると昇降口から泰陽が部活の道具を持って出てきた。意識してみると家にいる時より目を伏せて行動してる、、家にいるときほどふてぶてしくなくてなんだか弱々しい。前髪もあげてないし。
全然違う……
泰陽が目線を感じたのか俺が見ているとこに気づいた。家にいる時みたいにギロっと睨んできてすぐに顔を逸らし弓道場に足早に歩いていってしまった。
「なっ」
「あちゃぁ…相当嫌われてんね」
「おっかしいな」
ちょっと仲良くなれたと思ったのに……
「しゅうごー!!!」
全員集まったのかキャプテンが声を張って集合をかけた。モヤモヤする気持ちを1度抑えて集合のかかった方に行く。
とにかく色々考えてもダメだ!かと言って俺が下手に動けば泰陽にも被害が行く、、とりあえず部活はちゃんと集中してやって家に帰ってから考えよう
いつも通り練習が始まる。俺は結構上手い方で練習試合とか春大にレギュラーとして出ている。なので練習はレギュラーの先輩達と一緒にしている。
「よーし、10分休憩からもう1試合やるぞー!」
キャプテンの休憩の合図に返事をして水筒があるところに走った。ちょうどよく八重原も座って水分をとっていた。
「乙〜」
「お前も」
「月希ちゃんサッカーやってる時のが1番IQ高いんじゃない?」
「え、そ、そうか?」
「よく北村先輩のとこ見てたね、ナイスパス」
八重原がハイタッチの手を出してきた。「おう!」と答えてハイタッチを交わす。
パチンッ!
このかわいた音が好きだ、めちゃくちゃ
「あー疲れた」
「今日キレッキレだもんね〜すごいわ」
「今のところ解決できそうに無い問題については考えるだけ疲れるだけかなって、切り替えた」
汗を拭って、水分をとり一息ついた。心地よい疲労感が全身を回る。
「そういう所は賢い癖に…」
「なんか言ったァ?!」
「いや?w」
1拍置いて八重原の顔が真剣になった
泰陽の話と察して静かに聞く姿勢をとる
「俺も少し考えたんだ」
「おう、聞かせてくれ」
「もちろん月希が助けて泰陽を救うってのも一つの手だ、だけど」
ピピーーっ!!
「休憩終了!始めるぞ!」
「…なんでもない、やっぱ忘れて」
「えっ…」
バシッ
さっきまで真剣な顔してたくせにいつもみたいに嘲笑うような顔に戻って背中を叩かれた。
「ほら!切り替えてよルーキー!」
「……分かったよ!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「今回の試合の動きをしっかり反省して活かせるようにしてください!」
「「「はい!」」」
「気をつけ礼、ありがとうございました」
練習が終わって荷物を持って下校する。今日は疲れた〜!
疲労感からあくびが出る。
「じゃあね〜月希」
後ろからチャリ通学の八重原が走り抜けて行った。ちょっと待て!まだ聞いてない事が
「八重原!言おうとしたことってッ」
「ううん!やっぱり言わな〜い!」
「はっ?!」
まじあいつはわかんない!真剣な話をしたと思ったら10分も持たないし!はぐらかされるし!ほんと俺の周りにいるやつ頭良くてタチが悪い!
イラつきながら歩いて門を出ると門の傍で小さくしゃがむ泰陽の姿があった。
「うわっ!」
「人を幽霊みたいな扱いしないで貰えますか?」
「先帰ったんじゃ……」
「鍵を持ってるのは君ですよね?」
「あっ、そっか」
「だから僕にも鍵を持たせてくれればいいのに…母さんと亮さんときたら…」
あーいつもの泰陽だ、、なんら変わりない
でも普通を装っているとしたら?強がって弱い所を見せないようにとしてるとしたら?………”それは辛すぎる”
「泰陽ッ」
「な、なんでしょうか」
もっと素で、自然体で、時には弱くたって
そうもっと……
「普通でいいんだぞ!」
「え、どういうことですか?怖いんですけど」
「怖いか?俺」
「怖いですよッ!!」
逃げるように走って家に向けて帰る泰陽の後ろを走って追いかけた。途中泰陽が腰を抑えて立ち止まってしまった。
「ッどうした?」
「…なんでもないッ」
体育の時の!保健室行ってないのか?泰陽
背中を泰陽に向けてしゃがむ。泰陽が困惑していた
「え、えっと…あの……は?」
「乗って」
「やです」
「乗れ」
「ッ……命令…、」
押し負けて泰陽が俺の背中に乗った。そのまま帰り道を歩く。身長は小さいと思ってたけど軽い…。もちろん子供一人分ぐらいの体重はあると思うけど中学男児の重さじゃない。そしてなんか…今の状況兄ちゃんぽい!!
「僕に命令しないでくださいッ……」
「従ったくせに」
「ッ……」
「……」
「……」
「今日、夜ご飯なんですか?」
「決まってない、何がいい?」
「…ハンバーグ、がいいです」
「お!いいな!和風?デミグラス?」
「チーズ、が……いい」
「了解!」
なんか素直だ…めっちゃ美味いチーズハンバーグ作ってやんねぇと!後兄ちゃんとして、絶対俺泰陽のこと助けるからな!
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
7 / 9