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19*日崎の回想
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「僕は湊が大好きだった。もちろん、最初は友達として、ね。
湊はいつでも僕の側にいてくれたし、僕にいろんなことを教えてくれた。
「中学校に入ってすぐ、湊は同じクラスの女の子に告白された。湊は『嬉しいけど、今は部活に集中したいから』って断ったらしいけど、僕はなんか嫌だった。今思えば嫉妬だったのかな。湊に恋愛対象としては見てもらえてるってことに対する。
「クラスの男子たちは、どの子がかわいいとか、どのこの胸が大きいとか、どんなプレイをしてみたいとか話してたけど、僕はその話についていけなかった。湊にだって、ついていけなかった。
「僕は学年で一番美人って噂の女の子より、湊の方がずっとずっと美人だと思ってたもん。
「僕にも彼女はできたよ。それなりにかわいかったし、僕のことが大好きらしく良い子だった。僕も彼女のことは好きだったよ。でも、恋愛対象として好きにはなれなかったんだ。
「手も繋いだし、キスだってした。セックスもしようとしたけど──できなかった。そりゃそうだよな。普段湊に触られること意識して抜いてるやつが友達として好きなだけの女の子に勃つわけがないもんな。
「その子とは高校になって自然消滅したし、それでよかったと思ってる。高校も湊と一緒で、嬉しかったけど、恐かった。これ以上側にいたら、もっと好きになってしまう。僕がゲイなんだってはっきりわかってしまう。
「でも僕は湊から離れられなかった。1年前くらい前に、もう僕は湊が好きなんだって確信した。ずっと友達として付き合ってたけど、ここ1ヶ月ぐらいは告白しようと思ってたくらいだよ。湊なら断られるかもしれないけど拒絶はされないだろうっていう信頼があったから。
「その矢先にこの報告だよ。彼女と2人で写る写真を見て、『おめでとう』としか言えなかった。お似合いだったから。僕は、僕は──」
そこで兄ちゃんは泣き崩れてしまった。
いつの間にか寝てしまっていたみたいで、目が覚めると子供のときのように兄ちゃんが横に寝ていた。
その姿はいつも通りの兄ちゃんで、オレ以外には兄ちゃんの想いは秘められていた。
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