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【第四話 トーキョーゾンビ】
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【第四話 トーキョーゾンビ】
さすがに前回はさらけ出しすぎたから次回は気を付けるぞ。まあ次回がいつ訪問なのかは、幸多くんと礼介くんの都合によるんだけど、とりあえずおれはガルバンゾを食べて今日も頑張るぞ。いえいえい。と思っていた矢先、幸多からLINE通話来てビビる。ああんタイミング悪い。ちょっと。待って。ちょっと待っててね。………………よしっ。屋上から猫虐めのモリャアサハン・ヒを突き落として一丁上がり。もひもひと気の抜けた応答をしたら、助けてくださいと悲痛な叫びが聞こえた。
「どしたん」
「今うちに電話があってね」
名探偵が幸多を呼んでいるらしい。そして幸多はのんびりと今日はおうちにいたのだった。でも行くのはおれです。
「どうしようどうしようどうしよう」
「いや、普通に暇だからおれ動けるよ」
「…………………ほんと?」
「暇でぇっす。逆によかった。ありがと」
「ごめんねえ。ありがとお……っ!」
うわー、録音しときゃよかった。可愛すぎて幸せ。花丸。
「んで、幸多くんはどうすんのさ」
「え、あっ、……どうしよう」
考えてなかったんかーい。
「満喫とか行っとけば?」
「なあに? それ」
これだからお坊っちゃまは。漫画いっぱい読めるよって伝えたら喜んだ。あとソフトクリーム食べ放題です。
幸多ってば、漫画読むの苦手らしい。難しい古典とか哲学とかの本は読むくせに、文字と絵をいっしょくたに追うのは慣れてないんだって。この機会に特訓しよう、なんて、可愛い意気込みを耳許で聞ける幸せ。推しててよかった。
汚れてないからこのままの服でいいや、とおれは礼介くんのところへ直行する。そしたらモリャアサハン・イに襲われた。しつけーな。先急いでんだよこっちは。
きりがないので逃げてみたけど、匂いを覚えられたのか追ってくる。困るなあ。臭い地下道に潜り込んだけど、逆に失敗だったとすぐにわかる。モリャアサハン・ヴが待ち構えていて、なんでかモリャアサハン・ヌもいる。あー、も、口開いてるよ。可愛い。螺旋状の歯が丸見えじゃん。それからモリャ(略)のタとニェとユグ。えっ、ユグもいんのかよだっる。老害しんど。ハゲる。
お気に入りのパーカーを脱いで、ヌに渡す。持っててね。
別におれは彼らを嫌いなわけじゃないし、一族滅亡させるつもりないし、っていうかこいつら厳密には死なないし、でもとりあえず猫殺しはよくないからボッコボッコにしとく。うわー、暑い。タンクトップも脱ぎたい。あ、血ぃついてんじゃん。ラメ色の血液とか超ギャルかよ。だる。ダルメシアン。シャワー浴びたい。ヌから服を受け取って、頭を撫でる。お前は本当に可愛い変異体だなあ。もうちょい大きくなったらセックスしようね。
どうしよう汗臭いかなドブ臭いかな。でも家に帰って着替えてる余裕ないし。まさか脱ぐ展開にはならないだろうから、パーカーのチャックしめときゃいいか。暑いけども。ドラッグストアで制汗剤試すふりして匂いをごまかす。トイレ借りて手を顔を洗う。髪の毛、問題なし。後ろ姿、問題なし。うーん。うん。多分大丈夫。
礼介くんてば、おれ(幸多)になんのご用ですか。
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