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【第五話 Pretender】
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【第五話 Pretender】
深呼吸。大丈夫。うまくやれる。
残暑もやわらぎ、おれはまた礼介くんのとこを訪れる。ビッグサイズのゆるパーカー。お帽子。袖長め。腕まくりしてもかっこよし。ポッケ。なんとなく選んだ服だけど、隠したい気持ちを持ったおれは、このぶかぶかさに安心してる。お帽子ついてるし。優秀な隠れ蓑。ああもしかして、礼介くんにとっての着物も、同じ意味なのかしら。お布団。ブランケット。防弾チョッキ。着ぐるみ。繭。
「じゃーん! おれの登場でーす!」
あれ、返事ない。シヅさんもいないっぽい。ちょっと待ってて、とむこうから声がしたので、もちろんおれは待たずにずかずかあがりこむ。
「……待ってろって言ったのに」
着替えてた礼介くん発見。思いっきり背中見てしまった。色白。男だから美人ってよりなまっちろ病弱って思う。マイナス評価。でも普段隠されてるものを見れるのはワクワクするのでプラス爆上がり。大黒字。
「貴重なエロシーンあざっす。なにやってんの?」
「着替え」
「なぜゆえ?」
「……………さっき起きた」
「可愛いかよ。え、寝坊助さんにも程がある。もう午後ですよ」
「うん。……………」
なんでか、お疲れでいらっしゃる。アンニュイ。透き通るような黄緑色の服。生まれたてのカマキリ。ウスバカゲロウ。若草。メロン。うーん。何色の何。
「夜更かししてたん?」
「長い夢を見ていた」
「どんな?」
「…………さあ、どんなだったかな」
「覚えてない?」
「覚えてないねえ」
「残念」
「そうだねえ」
じゃあなんで疲れてるんだろう。ぐったりぴーちゃん。
「ジェットコースター出てくる?」
「うん? なんで?」
「楽しいから」
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