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夏休み(11) side斗真
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side 斗真
意外というかなんと言うか…素直じゃないなとも思う。自分からは言い出せなくて、俺が言うのを待っていたということだろうか
すぐに来た電車に乗り込んで1駅、駅から家まで夏目を呼ぼうかとも思ったが折角だし、この時間ならそこまで暑くないかと歩くことにする。隣を歩くちとせはもう怒っていないとは思うが何を考えているのか分からない顔をしている。あまりしつこくご機嫌取りをするのもウザがられることを知っているため大人しくしておく
「…なぁ」
「どうした?」
急に話しかけられて驚くがやはり声色からはもう不機嫌さは感じられない
「晩御飯何?」
「え」
「……」
これは…作れってことか?
「…何が食いたい?」
そう尋ねると「うーん」と真剣に悩み始めたちとせ。何作るにしても買い物した方がいいかな…なんて思いながらちとせの言葉を待つ
しかし数分してもうんうん唸って首を捻ってなかなか返事はない。やっと口を開いたちとせは
「…なんか」
という。なんか…とはなんだ…
何とも言えない答えにちとせを見下ろすと「こっち見るな」と睨まれる
今から帰って作るとなると手の込んだものは遅くなるし、別に遅くなってもいいのだが買い物も面倒だな
冷蔵庫にあるもので作れるもの…何があるだろうかと考える。最近はちとせに何か作ることは無かったがいつでも作ってやれるように自炊に励んでいる
手早く作れて材料も適当でいいとなるとチャーハンか丼物?パスタでもいいか…
「ちとせ、チャーハンか丼かパスタだったらどれがいい?」
「…パスタ」
「ソースは?」
「んーカルボナーラ」
カルボナーラだったら家にある材料で作れるだろ
「わかった」
晩飯が決まって嬉しいのか先程までより足取り軽く歩くちとせをバレないように眺め、可愛いなと思いながら家まで歩いた
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