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捏造裏◆メルヘン【赤ずきん】
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昔々ある所に、赤ずきんちゃんというそれはそれは大層可愛らしい女の子が居ました
キラキラとした大きな瞳にスベスベな白い柔肌、ぷるんとした瑞々しい唇
白いワンピースに赤いずきん
非の打ち所のない超絶美少女
村の人達にも愛されているその娘は赤ずきんちゃんと呼ばれていました
ある日、赤ずきんちゃんはお使いでお婆さんの家まで遠出するのでした
そんな話を森の動物達から聞き付けて、早速彼女の姿を一目拝もうとする一匹の狼さんが…
「ダメだ善逸!そんな不純な理由で人里に出るなんて危険だ!」
「もう炭治郎は心配し過ぎだよ!ちょっと見てくるだけだって」
「お前は稀少種なんだぞ?!保護区であるこの森から出るのはいけない…それに狼はただでさえ評判が悪いのに」
「それは獪岳が悪さしまくってるからだろ?俺は関係ないじゃん」
「そうだけど俺は善逸が心配なんだ」
「大丈夫だって逃げるのは得意だから。それにお前の方こそ猟師のくせに狼を匿ってるってバレたら追放されちゃうよ?」
「うっ…日が暮れる前には帰ってくると約束してくれ。出来るだけ人の目には触れないように」
「はいはい。それじゃあ行ってきま~す」
黄金に輝く美しい毛色をした半獣狼の善逸
共に暮らしている心優しい狩人の炭治郎は極度の過保護でなかなか外に出してはくれません
稀少価値が高く絶滅危惧種でもある金狼の善逸は賊や密猟者達の格好の獲物だ
それだけではなく、可愛らしく無垢な容姿や中身の世間知らずな狼さんを1人にするのは気が気ではありません
そんな狩人の心配を他所に森を駆け抜けて村へと一直線な狼さん
「愛しい愛しい赤ずきんちゃん!噂でしか聴いたことないけどどんな女の子なのかな~巧くいけば結婚してくれるかも!」
淡い期待を胸にお嫁さん候補の赤ずきんちゃんの元を目指します
一方その頃
「では兄上、支度が整ったらこのバスケットを何時もの所に届けて下さい」
「うむ。くれぐれも留守は頼んだぞ…おや?」
「どうしました?」
「薬草が些か足りないようだが?これでは芋すら分けてもらえんぞ」
「申し訳ありません!この頃は天候が悪くてまともに摘みに行けなくて…」
「よもやよもやだ…ならば足りない分は道中に摘んでいこう」
「兄上は強いので心配は要らぬと思いますが狼には気を付けて下さいね?被害が多発してますので」
「承知した!狼等は敵ではないが用心するとしよう!猪頭少年にも外出は控えるように伝えておいてくれ」
トレードマークの赤ずきんと燃え盛る炎のような鮮やかな毛色の好青年
そっくりな弟からバスケットを受け取ってお使いに向かいます
噂とは異なりますがこの青年こそが狼さんが探し求めている赤ずきんちゃんなのである
巷で村人を脅かす狼に警戒をしながら早速森の中にあるお婆さんのお家へと向かいます
その道中で不足している薬草を手に入れる為に先ずは辺りを捜索中
次いでに狼対策として罠を仕掛けていました
「これだけ仕掛けていれば大丈夫だろう!後は急いで薬草を探さなくては」
「もしかしてアレが赤ずきんちゃん!?お嬢さん、こんな所でどうしたの?道にでも迷った?」
漸く赤ずきんちゃんらしき人物を発見して浮き足立っている狼さんがやって来て尋ねてきました
未だ後ろ姿なので正体がはっきりしません
「お嬢さんって俺か?俺は千寿郎に頼まれたお使いでお婆さんの家に行く途中だが」
赤ずきんちゃんがそう答えて立ち上がると、狼さんは近付きながら目を丸くして驚きました
「はっ?!何だよ俺って!女の子じゃなくて男!?」
「うん?俺はれっきとした男子だ!金狼とは珍しい!それにしても小さくて柔らかそうで可愛らしいな」
「その頭巾が頼りだったのに…紛らわしい格好しないでよっ」
「済まん!これは母上の形見なんだ」
「じゃあ、あの噂は何なんだったの?白いお肌の美少女って…」
「あー…それは恐らく最近保護した猪頭少年の事だろうな。色白で端正な少女のような顔をしている」
「どっちにしろ男じゃん!!」
「田畑を荒らす盗み食いの常習犯だったから引き取って稽古をつけている。良ければ君も俺が鍛えてあげよう!」
「行かねぇよ!つーか、もう、いいや」
「ん?何処に行くんだ?」
「何か色々と萎えたんで帰ります…」
あれだけ恋しかった赤ずきんちゃんは男だと判明し、淡い期待は見事に打ち砕かれた
自分より低い位置にある狼さんの頭を撫でていた赤ずきんちゃんの手を払って、耳と尻尾をしゅんとさせて立ち去ります
そんな姿を見て、何かを思い出してハッとした赤ずきんちゃん
「帰るって…そっちに行ってはダメだ!」
「え…?」
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