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「っふぅ、、、ようやくひと段落か、、」
先輩に案内された部屋は既にベッドやタンスなどが運び込まれておりそのままでも生活はできそうなじょうたいだった。
そこに数少ない自分の荷物を運び入れると今までの疲労が一気に体を駆け巡る。
俺は耐えきれず一度ベッドにダイブする。
「はぁ、、ほんっと、、怒涛の三日間だったな、、」
思えば初日からコーヒーをぶっかけられ、そのあとは救急搬送された家族の処置、、
なかなかにハードなことをこなしたものだ
(あー、、、このまま寝たい、、)
明日から二日間休みなので時間はある。
だったら今日くらい怠けてもいいのではという気持ちが頭をよぎる。
うとうと、と目を閉じようとしたその時、、
「ケイーー!!終わったか!?!」
ドアがバン、と音を立て先輩が仁王立ちしている。
逆光でなんだか神々しい雰囲気を醸し出していた。
「って寝るな、寝るな!!終わったら部屋案内するって言ったろ!!ほら行くぞ!!」
(ようやく休めそうだったのに、、、くっそ、、)
先輩にベッドから引き上げられ渋々立ち上がる。
まあ、部屋案内を頼んだのは自分なので仕方がない。
「案内終わったら夕飯の材料買いに行くからな!今日は何にしよっかなーー!!」
ハイテンションな先輩の後を追い部屋を出る。
ちなみに俺の部屋は玄関を入って右手側の二つ目の部屋だ。
「ここが洗面所、ふろ場な!隣がトイレ!!」
そう言いながら部屋中を案内してくれる。
改めてすごく広い部屋だ。
リビングには夜景を一望できる大きな窓もあった。
「次は二階なーー!!って言ってもそんなになんにもないけどな」
「、、二階なんてあるんですか!?」
螺旋階段の手すりに手をかけてどんどん上へと登っていく
一体家賃はいくら位するのだろう、と考えるだけで目が回りそうになる。
「おう!でもあんまし使わないけど、、あっ、でも2階の方がテラスがデカいから頭冷やしたい時にはもってこいだぞ!!」
一応ここが居住できる最上階だからな、と衝撃の事実を知らさせる。
(、、は?最上階っつたか、この人、、、)
思わず固まってしまう、、
学生時代からの付き合いだとは思っていたがこの人については知れば知るほど分からなくなってくる。
「ケイーー!!上がってこいよ!!ほら、景色はめちゃくちゃいいんだぞ!!」
上に登りきっていた先輩が見下ろしながら俺を呼ぶ。
その声にハットし、急いで階段を登る。
「、、うっわ、、めちゃくちゃ綺麗じゃないですか、」
「だろ!!今の時期はいっちばん綺麗なんだよ!!」
先輩の後を追い、先にテラスへ出てみると遠くの山まで一望できる壮大な景観があった。
山は紅葉を始めており秋らしい茜色や山吹色に染まっている。
「夜は夜でまた綺麗なんだよ!でもこの夕方の時間がオレ一番好きなんだ!!」
俺に景色を見せて満足したのだろう、そう言って中へと戻る。二階は何も無いと言ったが先輩は蔵書庫としているらしく数多くの本と机、椅子にランプといったシンプルなものだけが置いてあった。
「ここは自由に使ってもらっていいからな!!色んな本あるから、自分の技術向上の足しにでもしてくれ!」
「本当に何から何までありがとうございます。これからよろしくお願いします。」
「こちらこそ、一人はなーんか寂しかったんだよな!!
だからケイが来てくれて嬉しい!!」
先輩はそう言って下へと降りていく。
この後は近くのスーパーへ夕飯の材料を買いに行くそうだ
ならば今日はお礼にでも俺が作ろう。
「先輩、お礼と言ってはなんですが今日は俺が夕飯を作りますよ。何かリクエストはありますか?」
すると先輩はパッと花が咲いたように明るい笑顔を浮かべて、
「いいの!?じゃあ、、、なんか和食がいいな!!オレ洋食しか作れなくってさ、、、最近和食が食べたいなぁって思ってたんだ!!」
「じゃあ、そうしましょう。一緒に材料を選んで頂けますか?」
「おう!!そんじゃあ、スーパーいこっか!!
こっからほんとに近いから歩きで行けるぞ!!」
先輩は一階へ降りるやいなや、早速自室に戻り行く準備をしている。
俺は先輩を待っている間に今日の献立を考えることにした。
(和食かぁ、、たしか先輩は肉じゃがよくたべてたよなぁ、、、じゃあ、肉じゃがと、、)
そうして考えていると先輩の部屋のドアが開く。
「よっし!ほんじゃあ行こっ!!」
「はい。」
先輩はカジュアルな軽装に着替え、玄関へと向かう。
手にはしっかりエコバックが握られているのを見ると以外にマメな人なんだなと感じる。
「歩いて十分くらいだからな!!野菜も肉も魚も全部を新鮮なんだ!!」
「へぇ、、いいですね!そんなスーパーが近くにあるなんて」
先輩は誇らしげに胸を張る。
「だろぉ?だからよくチハとかマコトも来るんだよ!!
コノハもたまに来るかな、、ツバメは、、オレは見たことないけどちょくちょく来てるみたい!」
「じゃあ皆さん、ここからも近いんですか?」
俺の問いに少し考えたあと先輩が思い出しながら答える、、
「チハはここの近くのマンションなんだよ!ほら来る時に見たもう一個のデカいマンションな!マコトは、、、どこだっけなぁ、、でもそんなに遠くなかったような、、」
うーん、、うん、とうなりながらあとの二人のことも思い出そうとしている。
「コノハはもうちょい病院に近いんだけど結構山の中に住んでるぞ!!ツバメはたしか今年から社員寮をでて、、
!そうだ、たしかチハとおんなじマンションに住み始めたんだ!!」
「そうなんですか、、ではみんなかなりお近くにいるんですね」
「おう、だから会いたくなったらすぐ会えるぞ!!
なんなら忘年会とか集まってやってるからケイも参加すんだからな!!」
(、、いいんだ、俺もその輪の中に入っても、、)
俺が忘れているだけで先輩たちの中には俺のことがしっかり残っている。当たり前のことなのにこんなにも嬉しくなってしまうなんて俺は単純だ。
「、、はいっ!!そうですね、ありがとうございます。」
先輩はこちらに向かってにっこりと笑い上機嫌で俺の手をつかみスーパーへと急ぐ。
その姿が少しつずつ見え始める。
「、、、なんか予想してましたけどスーパーもすっごいでかいですね、、」
スーパーもそれなりに大きく大型ショッピングセンターを彷彿とさせる。
中には食品だけでなく日用品や雑貨の類も売られていると言う。
「なんでも買えるからほんと便利だぞ!!こっちのFゲートが食品売り場に一番近いとこな!」
そうして入口のカートを掴み中へと入っていく。
中は至って普通のスーパーだった。
「なーなー、ケイ今日は何作るんだ??和食だろ!!」
先輩から半ばカートを奪うように貰う。カートまで押してもらう訳には行かない。
すると手持ち無沙汰になった先輩がガンガン話しかけてくる。
「今日は肉じゃがと、、、何かリクエストはありますか?先輩のお好きなもの作りますよ」
「肉じゃが!!オレ大好きなんだよな!さっすがケイ!!あとは、、、揚げ出し豆腐と、、魚かな!!」
先輩は満面の笑みを浮かべて子供のように喜ぶ。
本当に末っ子気質な人だ。
「では、まず豆腐をゲットしましょう。調味料もなさそうだったら全部を揃えていったほうがいいですよね」
「そうだな、調味料も買っちゃお!じゃあオレ豆腐探してくるからケイはいりそうな調味料頼む!」
「それなら、、あとお揚げと納豆もお願いします。
それとヨーグルトに牛乳、、チーズもいるか、、」
先輩に追加でおつかいを頼みカゴをひとつ手渡す。
そうして先輩は自分の買い物を遂行すべくたったか、と歩いていく。
(それじゃあ調味料探しに行くか、、)
少し歩くと調味料コーナーにたどり着く。
ざっと見るだけで二区画ほどありそうだ。
「、、とりあえず醤油と味噌、、あとはみりんと、、」
いるものを小さく口にしながら辺りを歩く。
さすが同商品の種類が豊富なだけでなくマイナーな調味料も多く取り揃えてある。
見ているだけで楽しくなってくる。
(これもいいな、、あっジャムもいるか、、)
次々とカゴに入れていく。
医者という仕事をしている故になかなか買い物をゆっくりとはできる時間が取れないので買える時に買ってしまう癖がついてしまっている。
ある程度選び終わったので今日のメインになるであろう魚を選びに鮮魚コーナーへ足を運ぶことにする。
先輩には一応連絡を入れておこう。
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