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好きが溢れる7
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しかし、時計の針が一周しても二周しても三周しても起きてくる気配はなく、時々様子を見に行っても熱に魘されながらもぐっすり眠れているようで少し安心した。
それから日付も変わり、そろそろ寝ようかと思った時。パタパタと足音が近づいた後、リビングの扉が勢いよく開かれた。
「わんちゃん…、わんちゃん」
涙を溜め、力なく僕の名前を呼び続けながら、抱きついてくる。怖い夢でも見たの?そう問うても返事は返って来ず、ひたすらに僕の、槐だけが呼ぶ愛称を口にする。
ソファーまで抱きかかえ、槐を僕の上に乗せるように横になって抱きしめた。
「大丈夫、ここに居るよ。大丈夫、大丈夫。僕が絶対に守ってみせるから」
背中を一定のリズムでトントンするとしばらくして僕を呼ぶ声も嗚咽もなくなり、さっきまでとは違い、穏やかな寝息へと変わった。
「はぁ…、好き…」
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