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Vol.Ⅲ【4】
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一緒にトレーニングを切り上げたシノブさんは、
僕の淡い期待を叶えるかのように、
シャワールームへと向かってくれた。
隣り合う個室で、
シャワーの弾ける音を聞いている間に、
期待は嫌でも高まっていったけど、
所詮相手はノンケなワケで。
この期待は単に、
男の裸体を拝めるかもしれないことに対してだからと言い聞かせる。
¨Shaaaa…¨
『アユムくーんっ。』
『は、はいっ。』
『ごめっ、
シャンプーはあったんだけど、
ボディーソープが切れてるんだよねー。
補充してくれなかったのか、
前の人が全身毛むくじゃらだったのかー。
アユムくんの方はあるー?』
『ぷっ…毛むくじゃらって…。』
『あー、笑ったなー!』
『すみません…。
ボディーソープ、ありますよ。
渡しましょうか?』
『途中で悪いんだけど、
お願いしちゃおうかなー。』
『いいですよ、待っててください。』
¨Kyu…¨
迂闊にも吹き出してしまった。
ボディーソープが切れていたことで、
毛むくじゃらな人が浮かぶなんて、
僕にはそんな想像力は無いから油断した。
個室のドアは、
首から下とふくらはぎから上が隠れるようになっていて。
外に誰も居ないか確認してから、
下半身にタオルを巻き、
ボディーソープのボトルを片手に隣を伺う。
すると、
解ってはいたけど、
肩から上のシノブさんが僕を見つけて、
眉を下げながら申し訳なさそうに片方の腕をこちらへ伸ばしてきた。
『ほんと、ごめんねっ。』
『い、いえ…。』
どうしたんだ、僕。
濡れた髪から雫が滴り、
首筋から肩にかけてのラインと、
程よくついた腕の筋肉を認めた瞬間、
目を反らすしかなくなってしまった。
『ありがとね?』
『はい…。』
『??
風邪ひいちゃうよ、アユムくん。
一緒に浴びるー?』
『なっ!
何言ってるんですかっ、
冗談がキツいです…。』
『あはっ、
ごめんごめんっ。
ほんと助かったー。』
¨Patan…¨
¨Doku Doku Doku Doku…¨
ヤバい。
なんで?どうして?
こんなの想定外だ。
¨Shaaaa…¨
早く洗い流さなくちゃ。
この感覚、
僕が大嫌いな感覚。
当の昔に捨ててきたはずなのに。
湯の温度を上げてひたすら頭から浴び続けている中、
シノブさんが個室の外へ出た音を確認した。
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