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自覚
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いよいよ、互いに会話をしている余裕は無くなっていた
虎岩は俺のスラックスを下着ごと強引にずり下ろすと、そのゴツゴツとした指で穴に触れ、おもむろに挿入した
指先から奴の緊張、焦り、渇欲を満たさんとするような複雑な感情が伝わってくる
発情したΩを前にして正気を保っている事自体が信じられないが、そればかりか、こちらの身体を気遣い律儀に穴を慣らすその行動に、真面目という言葉だけでは収まらない奴の堅い性格を再確認せざるを得ない
賢者か。それとも奴は仏なのか。
情けない事に、触れられる前から既に濡れて潤った俺の中は容易く奴の指を受け入れ、自分の意志とは関係なく、吸い付くように収縮した
ああ、やはり、俺はΩなのだなと、改めて確認するようで少し虚しくなった
陸「ん……、ぁ、?」
唐突に穴へ押し付けられた硬い感触に驚いて瞬きする
指とは違う何かが中へ進入しようとしている
陸「あ、待っ…お前、ゴムは」
恭二郎「付けてます…っ」
いつの間に。
俺が熱に浮かされぼんやり天井を眺めている間に既に装着していたというのか。奴は忍者なのか。
そんな事よりも、虎岩がコンドームを持っていた事に些か驚いている
男子たるもの、持っていて決して不思議はないが、虎岩恭二郎という、娯楽にまるで関心のなさそうな男が所持している事が意外だった
二人、シャツを着たままスラックスだけを乱雑に脱ぎ捨てて、慌ただしく事を運んでゆく
陸「ぁ…う゛……」
ゆっくりと肉を割って入ってくる感覚に若干の恐怖を覚える
虎岩も俺の体を傷付けまいと慎重に挿入を試みているようだが、残念ながらおそらく既に負傷している
結合部がジクジクと痛んだ
ふと、頭上の虎岩と目が合う
熱っぽい目がギラギラと光り、眉間にはシワが寄っている
その端正な顔には余裕がなく、薄く開いた口から吐息が漏れていた
恭二郎「痛かったら、すんません…けど、優しくできる自信、無いっす。先に謝っときます……っ!」
陸「い゛っ、!」
ゆっくり様子を伺うように進入していたそれが一変、ぐっと力を込めて押し込まれる
あまりの圧迫感に目を見開き、頭の先から爪先まで反射的に力が入る
陸「ぁ、あぁ…っは、あ」
恭二郎「先輩、力、抜いて…」
陸「ん…無、理…!」
俺は半分泣きべそをかきながら、シーツをきつく握り締めて耐えた
あんなにも疼いていた腹の中が、今では悲鳴を上げている
陸「ッ、」
そんな俺の背中とベッドとの間に、虎岩の腕が滑り込む
筋肉質なその腕は優しく俺を抱き締めた
呼吸も忘れ必死にパクパクさせていた俺の口を虎岩の唇が塞ぐ
尻は痛いし息は苦しいのに、どうしてかこの腕の中はふやけるように温かくて、心地よくて、俺は何が何だかもわからずに馬鹿になった頭で一心不乱に虎岩の舌を受け入れた
陸「ん…ぁ、はぁ」
恭二郎「ん…」
陸「んん、ふ…ぅ」
絡む舌に夢中になっている間も虎岩の腰はゆるゆると動き続け、気が付くと腹の底からじんわりと熱が芽生え始めていた
それは一突き毎に大きく、快感となって押し寄せた
陸「ぁ、あ、虎岩…も、無理だっ」
恭二郎「すんません…けど、止められないっす、っ」
陸「い゛ッッむ、無理…っ無理だって…死ぬ、!」
痛いのか気持ち良いのか
最早わからなかった
ただ、腹の奥を押し上げられる度ににじみ出るような何かが俺の不安感を煽り、本能が逃げようとする
陸「う゛ぅ゛ぅ゛…………」
身体を捻り逃れようとするも、虎岩の腕にがっちりと捕らえられ制止される
そんな間にも虎岩の動きは徐々に速さを増し、それに伴い快感が波となって襲いかかった
陸「無理、む、むり…無理無理無理、っあ゛、ぁ、」
恭二郎「う…っ」
未知の快感に理性を握り潰されながら必死で虎岩の肩を掴むも、奴にはとうに理性など無かった
止まない快感に涙が滲む
陸「ぅ゛、ぅ゛う゛ぅ゛ぅ゛………ッ」
ぐっと一段強く中を擦られ、堪えていたものがドクドクと溢れ出した
陸「ぁ…………ッ……ッ」
自らの性器から溢れた精液がポタポタと腹に落ちる
同時に、腹の中で虎岩のものがビクビクと大きく震えた
恭二郎「……ッッ」
・
・
・
突如訪れた静寂の中で、二人の乱れた呼吸と心臓の音だけがやけに大きく聴こえた
陸「…………おい」
恭二郎「…っス」
陸「…なんで治まってねえんだよ」
恭二郎「…」
腹の中で硬いままの虎岩
抜かずのナントカ…というのは正直都市伝説だと思っていた
恭二郎「…」
陸「動くな!」
無言で二回戦を始めようとする虎岩の頭をポカッと殴る
一瞬、シュンとした顔の虎岩に心が揺れるも、同じ手は食うものかと己を律し心を整えた
直後、虎岩の身体からいっそう濃いフェロモンが溢れ出し、俺を包み込む
鼻腔を抜け脳へ直接響く香りに目の前がチカチカする
陸「お前、ずるいな…」
恭二郎「…ス」
俺の身体はあっという間にふやけて、目の前のαを求め熱を発し始めていた
なんと単純な身体だろうか
自分で自分の身体に呆れたのだった
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