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7-①
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告白
■■■■■■■■■
「春日ちゃ~ん!今日、用事が出来ちゃて、一緒に帰れないんだ。ゴメンね」
俺の目の前で両手を合わせ頭を下げてきた佐久間
接触禁止令が解除されて、徐々に前のような距離感に戻りつつある日の放課後
こいつに耳としっぽが付いていたなら、シュンとしな垂れたのが見えるだろう
そして俺にもしっぽが生えていたら反対に…
「マジっ!そうかぁ、用事大いに結構。約束してないのに毎日お前が勝手についてくるだけなんだし、なんなら明日からも俺一人で帰るからさ」
嬉しさでちぎれんばかりにしっぽを振っている事に違いない
手を叩いて喜ぶ俺を見ても、佐久間は素直に受け止めず、俺が遠回りに皮肉めいた発言をしても
奴の中では湾曲して
「淋しがっちゃって~。明日は一緒に帰ろうね」
良いように解釈されて翻訳されるらしい
そんな佐久間は笑顔で手を振り、教室から出て行く
(よっしゃーーッ!!)
久しぶりにのんびり帰れる
佐久間から一刻1秒と少しでも早く離れようと、寄り道せずの帰宅が習慣となっていたから
本屋でも行こうかなぁ
それよりも服も見たいなぁ
そんな事を思いリュックに手を掛けた
と、その時ズシッと体に重さが加わり
「旭、帰ろ〜」
肩に回される腕
チラッと上を見上げれば、その顔にはいつもながら人を馬鹿にしたような笑みを浮かべて。
悦郎のこの笑顔の時はロクでもない事を考えてるとすぐ分かる
「悦郎重いっ、どけろ〜〜」
「夏くんと帰れないからって、寂しがっちゃって。さっき先生にも呼び出しされてたから、帰ってくるの遅いし、今日は2人で帰ろっか〜」
「寂しがってないし。あと俺、寄る所あるから」
「いーよいーよ、俺っちも寄りたい所あるからさ〜。じゃあ行こうかッ」
「あ、おいっ!引っ張るなって」
俺が若干の抵抗を見せようとも、それを無視して腕を引っ張っていく
こうされて俺の勝った試しはほとんど無いのは、小さい頃から何度も経験している事で
仕方なしに結局悦郎に引きずられるように、早々に教室を後にするしかなかった
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