アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
運命なんか、信じない
-
──ハーフ……なのかな?
そして、ユキはレグルシュの子供なのだろうか。そしたら、母親は?
家族背景について考えを巡らせていると、千歳がさっきいたキッチンからジュウ、と油が跳ねる音がした。
漂ってくるいい匂いに、千歳のお腹は素直に反応する。
「お腹いたいいたい?」
「うん……お腹が空いて」
千歳は誤魔化すように、腹をさすった。
キッチンでは、レグルシュが手際よくフライパンを前後に動かし、時折、背後にあるオーブンの中を確認している。
美しい動作に見惚れていると、ふいにあの冷徹な目と合った。
レグルシュは千歳を一瞬睨みつけた後、すぐに隣へと視線をずらした。
「朝飯だ、ユキ。早く来い」
「はぁい。ちーもいっしょに食べる!」
千歳の着ているシャツの裾を引っ張りながら、ユキは答える。
困惑する声が二つ、自然と重なった。
「そいつの分はないぞ。早く席につけ」
「どうして? みんなでご飯、食べないの?」
──「ちー」って僕のこと……?
ユキの言った「ちー」というのが千歳のことだと、レグルシュは千歳よりも先に理解したらしい。
やだやだと言うことを聞かないユキを放ったらかしにして、千歳を低い声で責めた。
「ユキに何か吹き込んだんじゃないだろうな。普段は人見知りなのに……どうしてお前にばかり懐く?」
「わ、分かりませんっ」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
17 / 246