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La・Ruche
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千歳の雇用主になってからというもの、一貫して冷徹だったレグルシュの態度は、少しずつ柔らかくなっている。
「ユキがドラゴンやっつけて、仲間にするんだ……」
可愛い寝言とともに夢へ落ちていくユキに、薄手の毛布をかけてやる。
部屋の明かりを暗くし、千歳は部屋を出ていく。
タブレットを起動し、千歳は今日一日のユキの様子を打ち込んだ。
レグルシュへ報告するために。
「ユキは寝たのか」
「……あ、はい」
風呂上がりのレグルシュが髪を拭きながら、千歳の前を通り過ぎる。
自室で休んでいるものだと思っていた。
白い半袖シャツに、涼しげな麻のボトムを履いている。
軽装のせいで、レグルシュの体型がそのまま浮かぶように目に映る。
千歳は視界から彼を追い出すように、タブレットを顔に近づけた。
「何してるんだ」
「い、いえ。ちょっと、見え辛くて」
「疲れてるのか?」
顔を覗き込むようにレグルシュが動いたので、千歳は「休みます」と即座に返事をした。
主人がいるリビングに、シッターである千歳が長居するわけにはいかない。
「待て。渡したいものがある」
レグルシュは何も書いていない茶封筒を、千歳に渡した。封はされていない。
レグルシュに促され、千歳は中に入っているものをその場で取り出した。
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