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ユキ
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ユキは基本的にピーマン以外は、食べ物の好き嫌いはしない。
食べっぷりにレグルシュも作り甲斐があるだろうと思うのだが、誰が褒めても嬉しそうな素振りは見せない。
「ユキくん美味しいね」
「うんっ! レグの料理、ピーマン以外は好き!」
「ほう。なら、今日はピーマン尽くしにするか」
相変わらず大人げない。
レグルシュの口からピーマンと聞いたユキは、「ぎゃっ」と短い悲鳴を上げた。
「大人気ないよ……レグ」
「甘やかすとろくなことにならない。俺に対して生意気過ぎる。ドラゴンなんてどこで覚えたんだ」
レグルシュもユキに負けないくらい蜂蜜をたっぷりと塗ったワッフルを、口に運びながら言う。
悪いドラゴンが出てくる絵本を選んだ千歳は、居心地が悪くなってしまった。
千歳のせいで、ユキのご飯がピーマンだらけになってしまったらかわいそうだ。
「ドラゴンもおじちゃんも、今日から言ったらダメだよ」
「わかったぁ」
ヨーグルトまみれになったユキの口元を拭い、千歳は注意する。
「和泉さんすごい……あの気難しいユキくんの言うことを聞かせてる」
昨夜、ユキとの攻防で目の下に濃い隈をつくった宇野木が呟いた。
朝食を食べ終えた後、ユキがお絵描き帳を千歳に見せるために持ってくる。
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