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ユキ
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花梨の友達も、それぞれユキに自己紹介していた。
「ユキくんって呼んでもいい?」
「うん。いいよ」
「ユキくんの髪の毛と目、キラキラして綺麗! 外国の人なの?」
「えっと、パパが日本で、ママがハーフ」
「えぇーすごい! 英語話せるの?」
「ちょっとだけ」
矢継ぎ早に質問されては褒められて、ユキの顔は赤くなっている。
最初は物怖じしていたユキも、だんだんと友達の輪に入れて、まだ千歳相手のときと同じようにとはいかないが、お喋りができている。
楽しそうに遊ぶユキを見て、千歳は安堵の溜め息を吐いた。
──お出かけしてよかった。
正午前に花梨とその友達は母親に呼ばれ、公園を去っていく。
ばいばいと皆に手を振るユキに「そろそろ帰ろうか」と、千歳は声をかけた。
濡らしたハンカチで、ユキの汚れた頬を拭ってやる。
「お友達できてよかったね」
「うんっ! みんなユキのことキレイだねって言ってくれた! 優しいね」
ユキと手を繋ぎながら、家までの帰り道を歩く。
その途中で、千歳のスマホに着信が入った。レグルシュからだ。
「はい。和泉です」
『今どこにいる?』
「公園から帰るところです」
『急な仕事が入ったから、ユキの昼飯をつくってくれ』
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