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ユキ
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美味しいと言ってくれ、さらにお代わりまで強請られ、堪らなく嬉しくなった。
フライパンに残っている分をよそっていると、玄関の鍵を開ける音がした。
ユキの前に皿を置き、千歳はリビングの前でレグルシュを出迎える。
「おかえりなさい」
レグルシュは一瞬驚いたような顔を見せた。
今日は暑いので、タイを締めずシャツとスラックスのみの格好だ。
「た……」
「……た?」
顔を見上げる千歳の横を通り過ぎ、レグルシュは詰まらせた言葉の続きを話す。
「たまたま早く終わったんだ。最寄りのカフェに行こうとしたら人でいっぱいだったから、うんざりして帰ってきた」
「は……はい。大変でしたね」
レグルシュの愚痴に、咄嗟にいい相槌の方法も浮かばず、千歳は無難な返事をした。
「レグおかえりー! 見てみてっ。ちーがご飯つくってくれたの」
ユキは食べている途中の焼き飯を、レグルシュに見せた。
ユキが嫌いなはずのピーマンが入っていることに気付き、千歳に怒るのではなく不敵な笑みを溢した。
「ピーマン尽くしだな」
「あ……えっと、すみません。決して無理矢理ではなくて、ユキくんには許可をいただいて」
ユキの愛情を利用されたと思われたのならば不本意だ。
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