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ユキ
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「そう……お世話になった人で。私の家は妻が働きに出て、私がユキの送り迎えをしていてね。まあ……私達みたいな家庭は少数だろう? ユキの見た目のこともあって、いろいろと……あることないことを噂されていたんだ」
そう溢す樹とユキの顔を見比べてみても、親子であるという印象は薄い。
レグルシュの子供だと言われたほうが、まだ納得できる。
送迎をする父親と、稀有な容姿のユキは園では浮き気味だったと言う。
園でも家でも沈みがちで元気のないユキの様子を、当然ながら母親であるエレナが見逃すわけがなかった。
「エレナは私にはもったいないくらいの、綺麗で聡明な女性で……家族思いなんだ。ユキが園の交友関係に悩んでいると言った翌日に、上の人に抗議したみたいで」
「実際にいじめがあるかどうか分からない状況で、エレナさんは訴えたと……」
樹は何度も頷いた。園側から保護者達に注意がいき、それが原因で軋轢を生んだ──と。
自分の子供が苛めに関与していないのに、犯人のように扱われては決して気持ちのいいものではないだろう。
結果、ユキと樹はさらに孤立してしまった。
「もちろん、ユキのために転園を考えました。そんなとき、最上[モガミ]さんに声をかけられたんです。最上さんは大きなグループの中心人物で、いろいろと……ユキが園に馴染むきっかけをつくってくれた人で」
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