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ユキ
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「ママはパパのこと大好きなんだよ。愛してるんだって。パパがいないところでね、ユキにたくさん言うの」
「ユキ……」
覚悟を決めた樹は、千歳に深く頭を下げた。
……────。
その後、店を出てからスマートフォンを確認すると、レグルシュからの着信で埋め尽くされていた。
今の千歳にできるのは、樹が心変わりをしてこの場から逃走しないよう、レグルシュの家へと連れて行くことだ。
話し合いの場を提案すると、樹は縮み上がった。
分かりやすいくらいに、拒否反応を示している。
「レグルシュさんに連絡を取ってもらいましょう」
「は、はい……。千歳さんはすごいですね。あのレグルシュさんに臆することなく……私は本当にもう、初対面のときから苦手で」
「初めは僕も苦手でしたけれど。でも、優しくて誠実な人ですよ。確かに言葉が厳しいときもありますが、きちんと相手のことを考えているからこそだと、僕は思っています」
「はは……千歳さんは若いのにしっかりしていてすごいですね。私も見習わなければ」
樹に抱かれているユキは、外出で疲れてしまったのかぐっすりと眠っている。
千歳はレグルシュに「ユキくんのお父さんを連れて帰ります」と返信を打った。
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