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びっくり
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「……ふぅ。」
ため息をついて、目元をぬぐう。
「大丈夫?」
「ひゃあ!?」
突然ドアの向こうから声をかけられて、思わず飛び上がってしまった。
「り、凛音さん……」
慌ててドアを開けると、そこには心配そうに立っている凛音さんがいた。
「まだオムライス来ないけどよ、遅いから。」
凛音さんは優しいな...
「ありがとうございます。大丈夫です。」
僕はそういって立ち上がった。
凛音さんは何も気づいていないようで、普通に返事をして一緒に席に戻った。
「星音、泣いてたのか?」
急に凛音さんに言われてビクッとする。
ば、ばれてる...?
「そんな泣くくらい腹痛いなら言えよな」
そう言って先輩は僕のおなかをさすった。
「はい...心配ありがとうございます...」
小さな声で返す。嘘をついてしまった罪悪感が押し寄せた。
だけど、嫉妬したなんて知ったら、嫌われてしまうかもしれない。
言わないほうがいよね。
さっきの店員さんがオムライスを運んできた。
「はい!お待たせしました~!」
店員さんが明るく言うと、凛音さんが「おっ、来たな」と言って手を叩いた。
「わぁ……おいしそ……」
「だろ?ほら、食べようぜ」
そう言って凛音さんは僕の分のスプーンを手に取った。
「え?」
「ん?食わないの?」
「いえ……いただきます」
僕は目の前に置かれたオムライスをまじまじと見つめた。……これは、いわゆる『あ~ん』というやつでは?
「食わないなら星音の分もらうぞー」
凛音さんが僕のスプーンをひらひらさせる。
僕は焦って思い切り凛音さんの持つスプーンを頬張る。
「ん...おいしいです」
こんなの、照れちゃうよ。
凛音さんの、いじわる。
やり返ししてやろうと思って、僕も凛音さんのスプーンを持って、オムライスをすくう。
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