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第一章
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十日前のあの雨の日に来店した、成宮 礼司さん。彼こそが僕の運命の番だった。
発情期でもないのに、礼司さんと同じ空間に触れただけで、僕の体はトロトロに蕩けそうになっちゃって、あんなの初めての感覚でビックリしたけど、礼司さんに“運命の番”って言われて、信じてなかったのに妙に納得しちゃったよ。
だって、僕の体がそうだって言うんだ。
まるで心が沸騰したようにドキドキして、どうしようもなく甘ったるくて美味しそうな匂いに、我慢なんて絶対に出来ないってくらい礼司さんを求めちゃうの。
ここまで来ると認めるしかないよね。
それに礼司さんって、すっごく素敵な人なんだ。
どんな仕事をしているのかは、まだよく分からないんだけど大きな会社の社長さんで、町を歩いててもすれ違う人みんな振り返って見ちゃう程カッコいい人。
────だけど、ちょっと・・いや、かなり変な人ってゆうか・・・
「うわっ!ま、またあの兄ちゃんだよ・・」
「なんか俺達睨まれてねぇか?」
・・・
あれから毎日毎日・・よくやるよ・・
「礼司さん。こんなドア越しに覗くくらいなら中に入ってくれない?」
なかなか店内に入って来ないから、いつものようにドアを開けてあげる。
ずっとこのままにしておく訳にはいかないからね。
「あ、茜くん・・ごめんね・・じゃあウィスキーを貰おうかな。」
礼司さんは、あの日以来こうしてお店の入り口のドアから店内を覗いてくるようになった。
その理由っていうのが・・
「ヒッ───!?」
「あんた、俺の大事な茜くんに手を出してないだろうな?」
・・・
こんな具合に、僕に悪い虫が付かないか心配なんだとか。
「礼司さん!大事なお客さんなんですから、そんな威嚇しないで下さい。僕は大丈夫ですから。」
とまあ、この話はまだいいとして・・
僕が何を言いたいかというと、人生最大の失敗をしてしまったかもしれないということ!
あの雨の日に僕達は、お互い本能が求めるままに番(ツガイ)になっちゃったんだ。
運命の番なんだから、当たり前だと思った?
僕もね、昨日まではそう思っていたし、そこそこ幸せだったんだ。
運命の番っていうだけで、今までのどんなセックスより気持ち良くて、礼司さんの事をまだそんなに知らないのに、何故だか居心地が良いって思っちゃうし。
だけど・・だけど・・まさかあんなことになるなんて───
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