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第74話(後編)(R)
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マキの仕切りによって、大悟とKは結婚した。だからといって何が変わるわけでもなく、そもそもあれを結婚式と呼んでいいのかもわからない。
「びっくりさせてごめんね。ハニーには絶対秘密にしろって言われててさ」
「それはいいんだけど。こんなことしてもらってよかったのかなって」
一時間程会食した後、お開きとなり、社員達は仕事に戻った。マキは治巳と飲みに出掛け、藤原と鳥居は家に帰り、松田も診療所へ戻っていった。今日の仕事はいいからと言われ、大悟もKと共に自宅へと戻った。二人分のコーヒーを入れて、リビングのソファーで並んで座ったところである。
「ハニーに寂しい思いさせたでしょ。これからもあんな事が起きないとは言えないから、けじめにと思って。指輪つけたげるね」
受け取ったケースを一度Kに返すと、大悟の方と思しき指輪を手にする。彼に左手を差し出せば、薬指につけてくれた。
「うん、サイズぴったり」
「じゃあ、俺もKに」
Kに習って、大悟も彼の左手の薬指に指輪をつける。
「お揃いでつけると、じわじわくるな」
Kが言うように、左手の薬指に光るリングをふたりで見やると、妙に浮き足立ってしまう。
「そうだね。K、ありがとう」
「どういたしまして。あ、裏側のこと言うの忘れてた。つけといてなんだけど、ちょっと見てみて」
Kに言われ、一度指輪を外して見てみれば「My honey eternal love from K 」と記されていた。意味を噛みしめた途端、大悟の胸は高鳴った。
「俺のハニーへの気持ちだから。それから、先生っつーか、草薙が花束なんか送ってきたからあん時はやめたんだけどさ」
もう一度指輪をつけてくれた後、Kは紙袋の中から赤いバラの小さなブーケを取り出し、そこに挟んだメモを読み始めた。
「これはダーズンローズっていって、十二本のバラにそれぞれ意味があるだって。感謝、誠実、幸福、信頼、希望、愛情、情熱、真実、尊敬、栄光、努力、永遠。これを全て誓いますって意味でね」
はい、どうぞと言って、大悟に手渡す。十二の意味を聞くと、なるほどと思い、有り難く受け取った。
「今更だけど、Kと俺はすごく年が離れてるでしょ。そういうの、気にならなかった?」
この機会に大悟はずっと心に留めていたことを口にした。これから先もずっとつきまとう年の差の壁。Kはそれをどう思っているのだろうか。
「ハニーを好きだって自覚したとき、全部取っ払ったよ。俺はこの世の亡霊だから、年とか性別とか関係ないしね。ジジイになっても、ハニーはたったひとりのパートナーだから」
高く積み上がっていた壁が音を立てて崩れ落ちた気がした。嬉しさのあまり、大悟はKに抱きついた。
「ありがとう、K、すごくすごく嬉しいよ!」
「ハニーが気にしてるのはわかってた。だから言葉じゃなく、形にしたかった。これでもまだまだ足りないけどね」
Kはそう言って、よしよしと大悟の頭を撫でた。
「まあこんだけ離れてるから、俺はハニーの恋人であり、兄であり、父でもあるわけで、役目がいっぱいで楽しいよ」
確かにKは、時に父のように、兄のように大悟を包み込んでくれていた。
「さっきから貰ってばかりで、何も返せてないよ」
「大丈夫。今からたっぷり返してもらうから」
Kは立ち上がり、大悟を片手で抱き上げ、バスルームへ向かった。
「ハニーを皆に晒しちゃったから、綺麗にしないとね」
浴槽に湯を溜めながら、互いに服を脱ぐ。Kが先に入り、シャワーの湯温を調節し、大悟の髪と体を洗ってくれた。Kが洗っている間、大悟は浴槽に入り、左手の真新しい指輪を見つめた。
俺、本当にKのパートナーになれたんだ。
今になって嬉しさがこみ上げてきた。高校を卒業すれば、Kと同じ場所に立てる。まだまだ敵わないけど、これでようやくスタートラインに立てるのだ。
「指輪に感動するのもいいけど、目の前の俺を見てよね、ハニー」
くいと顎に手をかけられ、Kと見つめ合う。彼はもう欲の花にまみれていた。大悟を浴槽から出すと壁に手をつかせ、背後から膨れ上がったペニスをこすりつけてきた。
「あっ、ん、っ……!?」
「もっと鳴いて、俺のハニー」
蕾にぷつりと指が入り、ナカを広げていく。
「あっ、K、もっと、奥……ッ、アアッ……!?」
「仰せの通りに」
二本、三本と指は侵入し、一番感じる場所へ向かって突き進んでいき……
「あっ、そこ……ん、やぁああっ、ひっ、ああっ……!?」
「今日のハニー、いつも以上に感じてるよ。まだ指だけなのに」
無理矢理覚えさせられて、嫌で仕方なかった背徳の行為は、愛するKと出会ったことで快楽へと変わった。
「やだ、指、Kが、ほし、い……!?」
Kのペニスに貫かれ、ひとつになることで大悟は実感する。死神の檻の中でしか、カナリアは生きられないのということを。
「うん、入れるね、ハニー、力抜いて……」
排泄する場所へと挿入する矛盾も、痛みも、全く感じない。熱く滾るKのペニスはゆっくりと確実に大悟の中を進んでいく。
「あっ、ん、あっ、K、はや、く、きて……ぇ!?」
Kだけが知る、自分が自分で無くなる位の喜びを感じるあの場所へと。
「あっ、ああっ……ん、あっ、ああああっ!!?」
ピリピリと全身に電気が走る。感情がショートして、快感だけしか感じられなくなる。
「ハニーのエロい声がすげえ響いて、おかしくなりそ……ッ!?」
体がぶつかり、Kの息遣いが耳元に響いてくる。愛する人とのセックスはこんなにも気持ちいい。もうK以外とは考えられない。
「あっ、ん……あっ、アアッ、そこ、ああっ……!!?」
「ハニー、俺のハニー、何があっても離さないから、ね……っ!?」
頭が真っ白になって、白濁を吐き出し続けてもまだまだ欲しいと願う。
「あっ、ん、K、好き……ッ、ああっ、ああっ!?」
「ちょっと、締めすぎ、ああっ、ヤバ、出る……ッ!?」
愛する人の飛沫を受け取って、本当にひとつになれたのだと確信する。
「……K、もっと、ほしい……Kの、愛、もっと、ちょうだい……」
くるりも反転させられ、愛する人と見つめ合う。
「うん、いいよ、もっともっと、俺の、愛、受け取って……」
呼吸を整えるとすぐ、二人は唇を合わせた。
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