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99 《プラム》☆
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《プラム》
どうしよう!
すいが売られてしまう!
その前にすいの様子!
ダメだ!
また、鍵が掛かってる!
声を潜めて呼ぶ。
「すい?
すい、俺だよ?プラムだよ?」
気を失ってるのか?
「すい?」
「………ぁーー………」
良かった、気絶してない。
「大丈夫?」
「……あー……」
消え入りそうな掠れた声。
大丈夫、な訳ない、相当酷くやられてる。
「うー……あ、る……はる……」
すいが泣いてる。
はるっていうのが、すいが気に入ってる悪友さんの名前だ、とあの人が言った。
はるさんを待ってるんだ。
他の誰でも無いはるさんを。
「酷いよね、……会いたい人に会えない……なんて。
あんまりだよ…」
思わず嗚咽が漏れた。
「……あー……?」
いけない!
すいが心配する。
涙を拭いて、明るい声を出した。
「きっと会えるよ!ね?」
「あー……」
誰かが2階に上がってくる気配。
「じゃあ、もういくね?
またね?」
「……あーー!!あーー!!」
行くな、ってすいが泣いてる。
寂しいんだろうな。
「ズグ!うるさいよっ!」
下から店主が叫ぶ。
「ごめんね、すい。
また会いに来るからね?」
口早に言って、そっと部屋に駆け込む。
早く連絡しなきゃ!
ああ、でも衣服とスマホは仔猫でいる間は下で管理されてるんだった!
早く連絡しなくては、すいが……!!
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