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15日目、夏休み。
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「おはよう魁輝!」
「飯食おーぜ魁輝!」
「辞書貸してよ魁輝!」
「今日部活休みだから一瞬に帰ろーぜ魁輝!」
「魁輝!!」
友達の親友(色々と片思い)がうるさい。
「なぁかいちゃん、アレ良い加減うざくねぇの?オレはうざい」
「てかあれで親友だと思ってる魁輝も魁輝だよな」
お昼休み、昼練があるからとなぜかとても寂しそうにグラウンドへ去っていった遼哉に三人で手を振った後。確かに最近関わることが極端に増えた親友について問われた。
「え?いや確かに会う機会も増えたし前よりすごい仲良くなれたなぁって思ってるけど、うざくはないよ?それに親友って遼哉も言ってくれたし親友だっつーの!人の友情疑うなよ!」
((そういう意味じゃないんだけどなぁ))
まぁその親友と言ってくれたと言うのも、親友よりその先へ行きたい思春期遼哉がうぅんとしぶったところそれを親友なんてやめろよなどと思っているのではないかとマイナス方面に捉えた魁輝がシュンとしたから慌ててもちろん親友だよ!と言った咄嗟のアレであるのだが。
そんなこと魁輝がわかるわけもなくそれをそのまま受け取りとても喜んでいる。
喜んでいるのは良いことだろうが、きっとこれじゃあ遼哉も報われない。しかもあれだけアピールしているのにもかかわらず疑いもしない。やはり元空気のぼっちには友達の普通の感覚がわからないのだろうか。それとも2人の精神年齢が大人なのだろうか。
「こんなんじゃいつかかいちゃん遼哉に無理難題出されても友達の範疇だと思ってやりそう……あぶねぇなかいちゃん。気をつけろよ」
「何言ってんのももちゃん……、なんでもかんでもそういう目で見るのやめろよ、いくらなんでもそんなことないからね」
いたって真面目な顔でそう言ってくる桃雅に汚物を見るような目で鈍感さを発揮する。
2人はそんな魁輝に呆れたようにため息をつき目を合わせ、もう一度ため息をついた。
「な、なんだよ……」
「別にぃ?……あ、そういえば後少しで夏休みだぜ夏休み!部活地獄だぜ!」
「え?そうなの?あーそっか夏休みか。イベントが多発しそうな時期だねー。暇な日あったら教えて、遊ぼう」
魁輝はきっと部活なんて行かないだろうしいつでも暇だろう。だが今年はそうもいかないかもしれない。なぜならあの遼哉がそんなチャンスをみすみす見逃すはずがないから。(そんな遼哉にももちろん部活地獄が待っているのだろう)
もちろん菜緒は忙しいだろう。この中で唯一部活に参加し更には部長なんて地位にいるのだから。まぁ正しくは次期部長であるのだが。まだ3年生は在籍中である。
さて、今更ながらに紹介しよう。彼らは中学2年生である。
つまりはなんども言うように、悩める思春期なのである。
夏休み。
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