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18歳以上ですか?
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樹
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「樹……だいぶ誤解されてない?怖い人だと思われてるよ……」
「……ああ。実際そうだしな……」
「そんなことないよ!樹は優しくて、いい子で実は賢くて勉強教えてくれるし!!」
「ぷはっ……ありがとう……笑」
こんなふうに綺麗な笑顔を見せるのも僕の前だけ……か
「……悠は、勉強できなさすぎ」
「え……は??やれば出来るもん。やれば……」
「ならやれよ!笑」
だから……出来ればいいんだけどね……出来れば……
「てか、後輩なら悠さんって呼べ!悠さんって!」
「はぁ……??今更〜?」
今更って……まぁ知ったのはだいぶ前だけど!!
「しかも、俺は留年してたから実質悠と同い年!」
「は?嘘だろ。」
「ほら、。」
そう言って樹は、僕に生徒手帳を見せる。
見ると……
「ほんとだ。」
しっかりと17歳と書いていて本当だってわかる。
誕生日は……
「8月15日」
「ああ。お前は?」
「9月14日……」
「おお。お祝いしねぇとな。」
「お祝い?」
「したことねぇの?」
「あるけど……
一回目の誕生日は、お腹壊して友達に帰ってもらって……2回目は、友達にドタキャンされて、3回目はー」
「ふっ……運なさすぎ……」
でしょ!でしょ!そうなんだよぉ
だから、僕は誕生日はお母さんと用事っていうようにしてるんだ。
バレないように……こっそりと……
「ふーん、なら、俺が悠の誕生日を最高の一日にしてやるよ!」
「え?」
「今までにないくらい楽しいものにしてやるって言ってんの!」
今までにないくらい……!!
「ありがとう。」
僕は、照れくさそうにそう言った。
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