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先輩と付き合う事になったものの、次の日からも特に変わった事は無かった。
課外が終われば会長室で生徒会の仕事をして、最後に先輩と会長と3人でお茶をする。
そんな以前と変わらぬ日が続いていた。
(付き合うって、普通はどういうものなんだろう?)
そういう事に疎い僕は、想像が出来ない。
先輩と付き合う事になったのは柚子にも言えないので、相談しようにも出来ないでいた。
側にいる事ばかり考えていた僕は、付き合いたいとは思っていたけれど、その先のことをあまり考えていなかった。
そもそも先輩はなんで僕と付き合いたいと思ったんだろう?
少しは僕の事を好きでいてくれてるからだと思って良いのだろうか…
副会長と上手く行ってないのだろうか…
先輩が二股をかけるような不誠実な人だとはどうしても思えないから、何か深い訳があるのでは…?
それとも、僕が知らないだけで、恋愛ってこういうものなのだろうか…
分からない事だらけで、正直僕は混乱していた。
本人に聞くしかないと分かっていても、それがきっかけで側にいられなくなるのが怖くて出来ないでいた。
そして、今日も課外が終わり、会長室に向かう。
今日は金曜日で、土日も課外はあるが生徒会活動は休みだ。
明日明後日と先輩に会えない事を思って、自然とため息が出てしまう。
「こんにちは。」
挨拶をしながら会長室に入る。
「ああ。…西岡、ちょっといいか?」
「はい。」
先輩に呼ばれ、僕は慌てて先輩の方に駆け寄る。
「明日なんだが…」
「はい。」
お手伝い役が休みであることの確認だろうか、と思いながら聞いていると、思いがけない言葉が出て来た。
「課外の後、西岡の部屋に行ってもいいか?」
「………えぇ!?」
僕はびっくりして、驚きの声を上げてしまった。
「周りには見られないように注意して行く。」
(先輩が、僕の部屋に…)
「あの…はい。是非、来て下さい。」
僕は湧き出て来る嬉しさを抑えながら答えた。
「じゃあ、課外が終わったら連絡する。」
「はい。」
そうして僕は先輩と携帯番号を教え合った。
今までは特にきっかけがなく、先輩の携帯番号は知らなかったので、電話帳に入った"藤枝先輩"の文字に感動してしまった。
明日も先輩に会えるなんて夢みたいだ。しかも僕の部屋でなんて。
その日の夜、僕は次の日が楽しみすぎて、余り眠れなかったのだった。
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