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会長が帰り、先輩と二人きりになる。
会長は、最初の先輩の発言を気にしていたらしく、お前らは帰らないのかと聞いて来たが、先輩に説得されて渋々先に帰って行った。
僕も先輩も立ち上がったままで、部屋の中はしーんとなった。
僕は心臓をバクバクさせながら先輩の言葉を待つ。
「西岡…。」
「はい。」
「俺と…付き合ってくれないか?」
「え……?」
僕は一瞬、先輩が何て言ったのか理解出来なかった。
先輩は、そんな僕を真っ直ぐに見て、
「俺と付き合って欲しい。」
ともう一度言った。
"付き合って欲しい"って………
僕は言葉の意味を理解した瞬間一気に顔が熱くなった。
先輩は真剣な顔をしており、冗談を言っている雰囲気はない。そもそも先輩はこういう冗談は言わないだろう。
僕は今すぐにでも頷いてしまいそうなのを耐えて、冷静になろうと手をギュッと握りしめる。
だって…
先輩は、副会長と付き合ってるんだから。そう簡単に壊れるような仲ではないはずだ。
「副会長は…」
僕はうつ向きながら何とか声に出す。
「…響が…気になるのか?」
「それは…」
気になるに決まってる……!
そう思い顔を上げて先輩を見ると、先輩は眉を寄せて苦しそうな顔をしていた。
僕は胸がズキンとなった。
「…それなら、響にも…周りにも言わない。」
「………先輩は…それで良いんですか?」
「…ああ。」
僕は震えそうになる手をさらに強くギュッっと握った。
頷いちゃいけないと思うのに…
浮気なんて…二股なんていけない……良くないって思うのに………
「ダメか……?」
好きな人にこんな悲しそうな顔されて、断れる人がいるんだろうか。
「……ダメじゃないです。」
気づいたら、答えてた。
「僕と…付き合って下さい。」
僕は先輩の目を真っ直ぐに見て言った。
先輩は、
「よろしく頼む。」
と言って僕の頭を撫でながら微笑んでくれた。
その微笑みに少し切ない色が混ざっている気がしたのは、僕の気のせいだろうか。
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