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俺は自分と同じ容姿を持った人物に対しての不名誉を否定するように言い返しながらも、テーブルに置かれていた純白色のカクテルを右手で取って。
「……って言う話はそろそろここで辞めましょうか。流石に飲まずに話過ぎてますよね?」と、申し訳なくぽそりと小さく言えば。
「そうだね……君と話すのが楽しくて、乾杯するタイミングなくなってたよ」
「あっ……それはごめん。というか本当にごめんなさい」
「別に謝る事じゃないよ? それだけ素敵で楽しいって事だから……むしろ良い事だよ。だからそんな素敵なヴィクトルの出会いに、そしてこの事件が無事解決する事を願って、乾杯」
俺の謝罪に対してアレクセイは優しくて落ち着いた声音でそう答えながら、俺と同じ右手でカクテルを掴んで。
縁と縁をカチンと短く鳴らして、この俺を歓迎してくれるので……。
「俺も……アレクセイに出会えて良かったと思う、というかむしろ命の恩人だけどさ……。ほんとこれからも、宜しく頼むぜ! 依頼主で助手さん」
そう俺は照れたように言いながらも、最後からは強気に威勢よく言い放ってから。
カクテル白雪姫を、グッと飲み干して……。
口の中に広がる甘いヨーグルトの味わいと純米酒の風味を、心地よく感じながら。
──この初めての経験を、存分に楽しみながらも。
事件を解決する為の一歩として。
俺は『依頼主の事を、よく知ろう作戦』として、アレクセイが「そろそろ部屋に行こうか」と根を上げて言うまで。
美味しいお酒と美味しいおつまみをお行儀よく食べながら、ひたすら質問攻めするのだった……。
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