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「…僕…後悔だけは…したくないです…」
少し声は小さかったけれど
瑠夏くんの目が語っていた
「…僕に出来るか…分からないけど…でも僕…頑張ってみようと思います」
「うん、頑張れ…!俺、応援してるから」
「…応援してくれるんですか?」
「当たり前でしょ?応援してるよ。また何かあったらいつでもおいで?俺でよければ聞くから…ね?」
「…先生…。ありがとうございます…!」
ペコリと頭を下げた瑠夏くんの頭を
俺はそっと撫でた
「瑠夏くんなら出来る。きっと出来るよ。だから自信持って頑張っておいで?」
「…はい!頑張ります!」
「うん、その息その息!」
話をして心が楽になったのか
瑠夏くんの顔に笑顔が戻っていた
人の笑ってる顔を見ると
自分まで笑顔になれるんだ…
何でかな…
「…先生だけに特別に教えてあげます」
「ん?」
「…僕の好きな人…」
「瑠夏くんの好きな人?教えてくれるの?」
「話しを聞いてくれたお礼です…」
そう言いながら瑠夏くんは
少し照れくさそうに微笑んだ
「…僕の好きな人は…先輩なんです…。先生もよく知ってる…」
「俺もよく知ってる…先輩…?」
「…3年C組の…斗真先輩です…。保健委員長の…」
「…あぁ!壱原くんの事か…!確かにイケメンだもんね?」
顔を赤く染めながら
瑠夏くんは頷いた
本当に好きなんだなぁ…
壱原くんの事
「叶うといいね?」
「…はい…!」
明るい声でそう返事をした瑠夏くんの顔は
まだほんのり赤く染まっていた
「じゃあ、そろそろ戻りますね。ありがとうございました!」
「いえいえ。またいつでもおいで?」
「はい!…失礼しました」
ペコリと頭を下げ
瑠夏くんは保健室から出て行った
再び1人になった保健室は
シーンと静まり返っている
特にする事がない俺は
イスにもたれかかり真っ白な天井を見上げた
「…紘…頑張ってるかな…」
何て事を考えながら
俺はそっと目を閉じた
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