アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
unrequited love story.06 想太の言葉
-
「じゃあ俺、帰るな…ゆっくり休めよ?」
「…うん、分かった」
「じゃあ…また明日」
「…うん…また…」
想太は少し心配そうな顔をしながら
病室を後にした
想太がいなくなった病室は
静まり返っていて
なぜか妙に寂しく感じた…
「…ついにバレちゃったか…」
誰もいない病室で
ポツリと呟く
目が覚めた時
想太が俺の隣にいて
びっくりしたけど
なぜか安心したんだ
あいつの言葉1つ1つが
俺の胸に響いて…
少し楽にさせてくれた
「…初めてだよ…お前みたいな奴に会ったのは…」
あんなに俺の事を心配してくれて
気にかけてくれる人なんて
今までいなかった
理玖もそう…
想太と理玖は似ているように見えて
あまり似ていないのかもしれない
あの無邪気な笑顔を除いて…
「…一緒に頑張ろう…か…」
これから先
何が起こるか分からない
どんな治療をするのかも
分からない
もしかしたら
すごく迷惑かけるかもしれないのに…
それを分かってるはずなのに…
それなのに何で…
何で君は…
「…そこまでしてくれるの…?」
俺には分からないよ…
君の心の中が…
見えないよ…
聞こえないよ…
君の本心が…
だからこそ怖いんだ…
君にまで
裏切られてしまうのではないかと思うと
怖くて怖くて…
仕方がないんだ…
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
96 / 300