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好きにさせてみせる
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観覧車が頂上に着いた。
綺麗な景色が広がるのに、僕らは黙ったままだった。
すると新井君が口を開く。
「次、この観覧車に乗ってこの景色を見るときまでには」
新井君は真剣な顔だった。
「俺のこと好きにさせて見せるから」
俺はうつむく。
そんなこと言われると恥ずかしい。
「優音、顔真っ赤」
「うるさい」
「可愛い」
俺は顔を手で覆う。
「優音、手どけてよ」
「無理」
「見せてくれないならキスするぞ」
「だめっ!」
俺は手を外して新井君を睨む。
いや、正確には睨もうとした。
睨めなかったんだ。
顔をあげた瞬間、目の前に現れた新井君の顔に、ドキッとしてしまった
から。
新井君が俺に近づいてくる。
逃げようと思えば逃げることも出来た。
なのに、俺は動けなくて。
そのまま新井君に唇を奪われた。
何故だか涙がこぼれおちる。
キスされても、嫌だとも、気持ち悪いとも思わなかった。
しばらくして新井君は口をはなす。
「優音を俺のものにして見せるから」
そう言って笑う新井君に、俺は何も言えなかった。
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