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オイルサーディンのサラダ
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食べたものが体を作っているんだ、と、篠木目は口癖のように言う。最初に言われた時の穏やかなその口調は木賊の中に染み入って、離れていないのだった。
今日も木賊は篠木目よりも早く帰った。
篠木目が近所の農家から貰ったらしき白菜を見ながら、何を作ろうか思案する。
あっ、あれにしようと、木賊は思い付いた。
白菜鍋である。
白菜の、糖度の高い根元を水と一緒に鍋に入れて煮る。甘い味と、鍋の出汁を吸った味が混ざる白菜が、木賊は好きだ。次に、鶏肉をちぎって入れる。これは、脂肪分が少ないものを食べたがる篠木目への配慮である。
他に、人参、椎茸、さつまいもを入れた。
椎茸は柔らかいので後から入れる。
煮込んでいる間に、次の支度に取り掛かった。
白菜の先だけを、取ってあった。これで、篠木目に教わったとっておきのレシピを作るのだ。
白菜は、意外とサラダにも使えることを、はこの家に来てから知った。白菜の先を一口サイズに切り、上に、キウイとりんごを載せる。
そして最後は、オリーブオイルとオイルサーディンをかければ、サラダの完成だ。オイルサーディンの渋さとフルーツの瑞々しい甘酸っぱさが、二重のハーモニーを奏でる。
作ってしまった後の脱力感が、木賊は好きだ。
後は、茶でも飲みながら篠木目を待つ。
美味しいよ、と言ってくれるだろうか。だったら嬉しいな。
篠木目の喜ぶ姿を想像しながら、木賊はほっと息をついた。
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