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「ごめんねシャーロット。貴方にも、俺はすぐ我儘を言ってしまって……」
「私のことはお気になさらないで下さいませ。私はずっと、七生様のお側にいます」
それが美代子様との約束でもあります、とシャーロットは断言した。
「……けれど、帰らないのであれば向き合わなくてはいけませんよ。城島様にも何か、事情があったのかも知れませんし」
ね、と覗き込んでくるシャーロットに、七生は困りながらも「そうだね」と返事をした。
こういう時、少々男勝りな性格の彼女には戸惑うけれどとても助けられている。使用人としては我が強いなどとたまに言われてしまうが、七生にとっては途轍もなく頼りになる家族だ。
「……でも、やっぱり怖いなぁ」
向き合うのは、怖い。
真実を知るのは、勇気がいるけれど。
———そんなことがどうでも良く思えるくらいに、七生は城島のことが好きなのだ。
シャーロットは不安そうな七生に「開き直ってみては如何ですか!?」とやや強引に詰め寄ってきた。それを宥めて落ち着かせていると、知らない間に笑顔になっていることに気付く。
「……ほんと、昔からそういうところ変わってないよね」
「七生様のお世話は私の仕事です。楽しく過ごせることこそが、私の願いですから」
シャーロットはそう言って、優しく笑った。
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